Cafe BEasT BOOK

□堪えきれない愛しさは
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確かに梯だった。
なんだかオーナーと色々話したようだが、僕には関係ない。

ただ梯の存在を確認したいだけだから。

長いメールの最後の文章に、「僕って愛されてるんだね。」という顔文字と文面。

その言葉は、きっと前日に大量の居場所確認メールを送ったからだろう。
梯は気づいているのかいないのか、
兄弟だから双子だからと思っているのか、
そういった対応をした。

僕は嬉しくなった。

大量に溢れて来る言葉達を押しのけて、そのすべてを表す言葉を、ゆっくりと押す。
打ち終わった文面上でカーソルがちかちかと点滅を繰り返す。



「そうだね。」


その一文が白いメール画面に展開され、瞬時に送信画面へと変わる。

"そうだね。"
君は愛されてるし、
僕は君を愛してる。

そんな淡白なメールでも、きっと彼は「冷たいなぁ」なんて思わないで、僕の真意に気づいてくれる。

だって、
僕たちは双子だから。



→おまけ

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