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□マジで衝撃的
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むか〜しむかし・・・いや、多分3年と2か月くらいまえ



ここは、不思議な不思議な生き物、ポケットモンスターと共存している世界のとある場所・・・ワカバタウンというところです


そしてその街で、ひとりの少年が男の子3人組にいじめられていました



「や〜いや〜い弱虫〜!」


「お前みたいな泣き虫がポケモントレーナーになれるわけねえじゃん!」


「そうだぞ!お前なんかポケモンもらってもペットにして終わるのがオチさ」


「うう〜・・・」



どうやらこの悪ガキ3人組は、この黄色い帽子をかぶった小柄な男の子をターゲットにしているみたいです



「おい、悔しかったらなんとか言ってみろよヒビキ!」



悪ガキ達のリーダーらしき男の子にヒビキと呼ばれた少年は、泥だらけにされた体でグズグズと泣きじゃくっています


まあそれも面白いのか、悪ガキ三人組はニヤニヤとヒビキくんの泣き顔を見てニヤけています



「グスッ・・・でも、トレーナーになるのは、僕の夢だし・・・」



「はァ?」


おっと、ヒビキくんが反論を始めたようです


ヒビキくんは泣いていた顔を上げ、目に涙をためながらもいじめっ子をちゃんと見つけて言います


なかなか男前ですよォヒビキくん




「ぼ・・・僕だって・・・ポケモンと一緒に・・・」


「お前・・・!」



しかしまあ・・・いじめっ子達からしてみれば面白くありませんよねぇ・・・


泣き虫ヒビキくんに珍しく反抗されたのがカンに触ったのか、リーダーは眉を吊り上げると、ヒビキくんにむかって手を伸ばします



「――――っ」



さすがのヒビキくんもビビってしまったのか


咄嗟に目をつむり、殴られるのだろうと情けない決心を固めてしまいました


この表情は年上のその手の趣味がある方にはたまらないかもしれないですねェ


カメラでも持ってくればよかった・・・!


と、その時です




「・・・・ォォォォオオオオるりゃあああああああああああ!!!!!」



(ドゴォ!!!)



「うぬらばァ!!?」



突如吹っ飛ぶ少年


その躯は空高く舞い上がり、クルクルと円を作りながら落下して・・・



ズシャ



「ごばァ・・・!?」


ま〜たまたヤベェ音をたてて地面に叩き伏せられました


それもまるで北○の拳の悪役が倒される時のような声を上げて
(なんとことか分からない子は、お父さんかお母さん、または自宅警備員お兄さんお姉さんに聞いてみてね☆byシロナ)



はい、特別ゲストの金髪お姉さんにビックリした方、勝ち組ですよ〜♪


はてさて、先ほどまでいじめられてたヒビキくん及びいじめっこ2名を見てみましょう



「・・・・」


「・・・・・」



完全に放心状態ですねェ


まあ目の前で人間が飛べばそうなりますわな・・・



「アンタ達!」



「「「!!?」」」



はたまた突如後ろより聞こえる声


今までふっとんだいじめっ子に茫然としていたヒビキくんたちは、次は何事かと振り返ります



そして、そこに立っていたのは・・・




「お・・・女の子?」




そう言ったのはヒビキくんの声



そうです、そこに立っていたのは間違いなく女の子であり


補足すると、モコモコの大きな帽子にはね返ったクセ毛


そして腰に手をあて、その眉はキリリッと釣り上がっています


なんというか、ものすごく自己主張の激しそうな女の子です



「ものすごく巨大なおせわよ!」



・・・すいません




「おいコラそこ!!」



((ビクリ!?))



その女の子は先ほどまでヒビキくんをいじめていた悪ガキ共にズビシッと音が聞こえるように指差すと、某弁護士ゲームの主人公と似たポーズで口を開きます


きっと彼女はいじめられていたヒビキくんを助けようと、単身いじめっ子達に戦いを挑んだのですね・・・


おお、なんと美しく、そして優しい心の持ち主でしょう!


きっと彼女はこれから、いじめっ子達の目からウロコが落ちるようなことを言うのでしょうね・・・



『手は殴るためじゃない・・・人と人が手をとり合うためにあるんだよ?』

『争いは争いしか生まないんだよ・・・だから、一緒に笑いあった方が楽しいんじゃないかな?』



と言うように素晴らしい言葉でいじめっ子達をさとし、そこから新たな友情が・・・




「アンタ達!!私の友達になりなさい!!!」



・・・前言撤回、この子は変だ



「・・・・は?」


うん、いじめっ子A。キミの反応は正しい



「えっ・・・ちょw」


キミも正解と言っていいBくん



「・・・・・」



ヒビキくん・・・まあキミはビックリしすぎて頭が追いついてないね・・・


そりゃそうだろう、私だってビックリですよ


なんつ〜の?ナレーターとしての存在意義を見失った気がすると言うか・・・



・・・えっ?なに?仕事しろ?



いやいやだって、こっちだってやる気がなきゃあ・・・



分かりました・・・やりますよ・・・やりゃあいいんでしょ!!



・・・え〜、作者から講義の電話が来たので続けます




「だ〜か〜ら〜・・・私引っ越してきたばっかだから友達いないの!だから友達になって!!」



「・・・・え〜と・・・いいですか〜?」


「はいそこの黄色い帽子の子くん!」



おっと、ヒビキくんが恐る恐る手を上げました


そうそう、主人公なんだから、少しはしゃべってくださいねェ



「あの・・・キミは「コトネって呼んでね黄色い帽子くん!」」


「・・・コトネ、さんは・・・その、僕を助けに来てくれたんじゃ・・・」



「・・・は?」



おやおや、このコトネという少女、何言ってんだコイツ?みたいな顔でヒビキくんの顔見やがってますね



「いやあの・・・だから僕を助けに・・・」



「何言ってんの違うわよ〜!」



「「「はい?」」」



ケラケラと笑いながらそう言い放ったコトネちゃんに対して、ヒビキくん達は驚きの声をあげました



「いやいや、てかアンタいじめられてたの?私はいじめられていじけてるような陰険を助けるほどお人好しじゃないわ〜。
言ったでしょ、私は友達になりにきたのよ!」



「・・・でも、今いじめっ子を一人ふっ飛ばしちゃったけど・・・」



「・・・あ〜、またやっちゃったかァ。
友達になるには第一印象でインパクトを与えろ!ってパパから教わったの!

だから今回は勢いつけてババ〜ン!と登場したんだけど・・・たまに人が巻き込まれちゃうのよねェ・・・

ま、よくある話よね!」



「「「ねェよ」」」



このアホっぽい子にヒビキくん達はビシッとツッコミを入れました


私もできたらツッコミたいですねェ




「あ、そうそう。そこの黄色い帽子の子をボコってたっぽい2人!」


「「?」」



「とお!」



おおっとコトネ選手、大きく飛び上がりいじめっ子に襲いかかるぅ!


瞬時に決まる2段蹴りィ!!!
これはいじめっ子もよけられずに吹っ飛ぶぅ!!!!



(ドガバキ!)



「ひでぶっ!?」


「あべしっ!!?」




カンカンカ〜ン!!


コトネ選手、一気に二人をノックアウトォ!!




「・・・・・」



「ふぅ、決まった♪」



人間二人蹴り飛ばして、なにを言ってるんでしょうねこの人は


コトネちゃんの奇行に完全にひいているヒビキくん。完全に青ざめてます


そんなヒビキくん完全無視で、コトネちゃんは大声で




「とっとと家に帰れええええ!!!!」



と言い放ちました


私まで耳が痛くなってしまうほどに・・・(キ〜〜ン)


その怒声にいじめっ子二人はヒィッ!?と声を上げると、完全に気絶しているいじめっ子リーダーを担いで逃げ出してしまいました



しかししかしコトネちゃん、なんだかんだでヒビキくん助けちゃいましたねェ


アレですか、強がってはいても弱い人は見捨てられないツンデレってやつですか?



「ああいや、マジ個人的にあいつらが気に入らなかっただけ」


・・・さっき友達になってとか言ってたよね?



「ああ、そんなこともあったわね・・・でもそれは過去の話!女は前しか見ないのよ!」



・・・ああそうですか



「あ、あの・・・」


「?」



おおっと、ヒビキくん。そんな可愛らしい涙目顔でおずおずと手を上げてなんですか?




「ええっと・・・あ、ありが(スパァン!)」



「っ・・・痛い!」



なにやらヒビキくんがお礼を言う前にすんげ〜音がしました


どうやらコトネちゃんがヒビキくんの頭をひっぱたいたようです



「な、なにすんだよ!?」



「うっさい!泣き虫!」



「な、なにを「泣き虫、弱虫、へたれ、腰ぬけ、いくじなし、根性なし、チキン野郎!」」



「――――っ」



「いじめられたくなきゃ、強くなんなさい!!」



「えっ・・・ちょ、そんな、勝手だよ!!」


「勝手じゃない!」



「勝手じゃないかァ!!」



「今日からアンタは私の友達なんだから、二度といじめられたら承知しないんだから!!」


「だから勝手じゃないかああああ!!!」




ヒビキくん・・・とんでもない女の子につかまっちゃいましたね・・・



二人の言い争いは、シロガネ山までひびいたとかなんとか・・・







「くしゅん!」


『ピカピカ〜?(レッド、風邪?)』



「ずずっ―――いや・・・」









翌日


ヒビキくんはいつものようにいじめられていました



「おいヒビキ、昨日はよくもやってくれたな」



「・・・・」




違うのはいじめっ子の人数が、リーダーの一人だけということと、ヒビキくんが黙りこくっていることです



「でも、今日はあの女いないからな。護ってくれるヤツいないぞ?」



「・・・・」



どうやらこのいじめっ子、コトネちゃんがいないことをいいことに仕返しにきたみたいですねェ



しかし、今日はヒビキくんも様子が違います・・・




「・・・おい、なんとか言えよ」



「・・・・・・・」



「おい!」



「うわあああああああああ!!!」



突然のヒビキくんの叫び声とともに、いじめっ子に繰り出される蹴り


その蹴りは見事いじめっ子のアソコに突き刺さり・・・



(ゲシッ!!)



「うにゃああああ!!?」



(ドサッ)




いじめっ子は悶絶及び叫び声をあげながらその場に倒れこんでしまいました


あ〜・・・完全に白目向いてますねェ・・・


ヒビキくんも自分の咄嗟的な行動がダイレクトにきまったことにビビっとりますね



「お〜、まさかあんなに見事に決まるとはねェ・・・」


「って・・・コトネ!?」



「いや〜、さすが私が教えた蹴りね!こんなに見事に決まるとは、正直思ってなかったわ!」


「思ってなかったの!?」



「いいじゃな〜い!こうやってそこのいじめっ子は倒したんだから、これからはもうコイツラも迂闊に手だししないでしょ」



「ああ・・・うん、まあそうだけど・・・」



「でしょでしょ〜!?無理を通して道理を蹴っ飛ばすんだよォ!!」



「無茶苦茶言わないでよ〜!」


「無茶苦茶じゃないわよ!ちゃんと私なりの理論があるの!」



「・・・・で、その理論ってのは?」



「かっこいいから!」



「無茶苦茶じゃないかああああ!!!」












その日の夜



「・・・・・まったく、なんなんだよあのコトネって子はさア!」



ヒビキくんはベットに寝転がりながら天井に向かって愚痴をこぼしていました


怒ってる顔はなかなかカワイイですねェ〜





「突然現れて突然勝手なこと言って、突然僕に蹴り教えるし・・・勝たせちゃうし・・・」





「あ〜ともかく!アイツのことなんて嫌いだ!!」





・・・・・・・・・・ 


・・・・・・・・・・・・・・




・・・・・・・・・・・・・・・・・・








「・・・・まあ、ちょっと可愛かったけど/////」



END

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