BL小説

□INTERDEPENDENCE
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そこには火村がいた。
「どうしたんや? こんな時間に……」
疲れ果てた様子の火村。訊かずとも大体の理由は判る。火村は靴を脱ぐなりリビングのソファにどさりと座った。
「事件でちょっとな。あちこち走り回って疲れた」
無造作に出した煙草に火を点け、ふぃーっと煙を吐いてから言う。火村の前に灰皿を置いてやった。本当に疲れ切っているようだ。
「コーヒー飲むか?」
「いや、家まで帰るのがきつくて寄ったんだ。朝まで寝かせてくれ……」
煙草をくわえたまま天井を仰ぐ。そうしてソファに身体を沈める火村を見ていると、何故か切ない気分になる。
「俺まだやる事あるから、君そのソファやなくて俺のベッドで寝ぇや」
火村が動く衣擦れの音がする。多分、私を見たんだろう。それでも私は彼を見ないように背を向けた。
「良いのか……?」
「えぇよ。ソファなんかで寝たら君の疲れかってとれへんやろ?」
私がそう言うと、火村は大きく息を吐いて灰皿に煙草を押し付ける。
「ありがとう。じゃあ、遠慮なくそうさせてもらうよ」
そう言って火村はベッドに向かう。その音を背中で聞きながら、彼の疲れが癒えるようにと願った。



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