企画小説

□Smile to me
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「ではそちらにあるものを順番に並べて棚にしまってください」
執務室の書架にはたくさんの資料が保管されていた。それは図書館のように順番に並べて整頓されている。もちろん、散らかすのは専らピオニー陛下だった。
「ガイ」
唐突に名前を呼ばれた。作業の手は止めずに返事だけする。
「あなたは初めて逢った日の事を覚えていますか?」

そう問い掛ける彼の顔を見ると、口元はいつものように微笑んでいるのに、目が真剣そのものだった。
「あ、あぁ。もちろん覚えているさ」

そうだ。
あの頃の俺は身分を偽っていた。


タルタロスから飛び降りる。
『ガイ様、華麗に参上!』
その時、小さな女の子―アリエッタ―を人質にとっていたマルクトの軍人こそ、ジェイドだった。

まさか今、その彼とこんな間柄になるとあの時どうして思えただろう。



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