BASARA

□SS
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《とばっちり》

(※学パロ)
(※慶次視点)


目の前で、級友2人が喧嘩を始めようとしている。
片方は体格の良い不良。
もう片方はつり目の小柄な優等生。
体格差があるにも関わらずいつも喧嘩の決着は引き分けだ。
どちらかが勝つということはどちらかが大怪我をしたり精神的に傷ついたりするということだから引き分けで済むのは嬉しいけれど、その前の段階でなんとかならないものなのか。


「俺の椅子後ろから蹴ってなぁにが楽しいんだ毛利さんよォ!!」

「貴様が我の前の席で居眠りなどするからよ。
起こしてやっているのだ。ありがたく思うがいい」

「物には限度ってモンがあんだろ!!おかげで先公に目ェつけられちまったじゃねえか!!」


要するに授業中居眠りをした元親の椅子を、後ろの席の元就が思いきり蹴ったのが事の発端なのだが、それで驚いた元親が飛び起きて教師に注意されたのが喧嘩の原因だった。


「まあまあ落ち着きなよ!居眠りしてた元親も悪いんだし…」

「止めんな慶次!!
こいつにやられたのはこれだけじゃねぇんだ!!
もう我慢の限界なんだよ!!」

「ふん、我が何をしたと言うのだ。
申してみよ」

「ああ言ってやるよまずは一昨日!!
アンタが図書館で、高い棚の本取りにくそうにしてるから代わりに取ってやるよって言っただけなのにいきなり向こう脛蹴りやがって!!」

「っ、あれに関しては全面的に貴様のせいぞ!!
『アンタの背じゃ届かねぇだろ?取ってやるよ』
などと親切を装って我の身長を馬鹿にしおって!!」

「別にそんなつもりねぇよ!!
アンタの被害妄想だ被害妄想!!」


ああ、元就って身長気にしてるもんなあ。

元親と睨み合いをしている今も若干爪先立ちをしているのが見て取れる。

それであんな言い方をされたら、元就の性格では怒るのも無理はない。


「まあ、言い方って大事だよ元親」

苦笑まじりに言ったら、青い目にキッと睨まれた。

「おいおい慶次、毛利の味方すんのかよ!?」

「そういう訳じゃないけどさあ。
どっちもどっちだと思うよ俺は」

「なれば我からも言わせて貰おう。我もこやつには言いたい事が山程ある」

「ああん?
俺が何したってんだよ。
言ってみろ」

「一週間前のことぞ…
我は休み時間、購買で買った大福餅を食しておった。
それを見た貴様は!!
『へぇ、アンタ大福餅好きなのか。うちのじいちゃんも好きなんだぜ、大福餅』
などとまるで我がじじくさいかのように申しおって!!」

「はぁ!?
うちのじいちゃんが大福餅好きなのは本当のことなんだから別にいいだろ!!
だいたいアンタこそ先週の金曜日…」


次第に口論がヒートアップしていく。
2人とも普段の精神年齢はもう少し高いのに、なんで顔を合わせるとこうなるのだろうか。

とりあえず喧嘩はよしなよと言って間に入ったら、元就の投げた筆箱が側頭部に直撃して悶絶した。









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仲裁は慶次君。
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