戯け共
□一章
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「チッ、またなまくら刀かよ。」
舌打ちをしながら、男は刀を死体の山に捨てた。
「にしても、また派手に丸焼きにしたもんだな。」
丸腰の男は死体の山の中から、刀を引っ張り出しては投げ捨て、引っ張り出しては捨てを繰り返していた。
「やり合ったなら上等な刀一本ぐれェ置いてから死んでくれっての。」
焼け野原を一目見回す。
死体の腐る臭いと焦げくさい臭いが混ざって、何とも言えない悪臭がする。
羽織りを無造作に着込むその男は、小さく苦笑いを零してからそこを離れた。
地面に足を着ける度に返り血が羽織りに跳ねたが、男は小さく苦笑いを零すだけだった。
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