Book2

□いつのことだか。
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1.辞令





「暗部総副隊長、黒影に長期任務を命ずる」



五代目火影の口から出た言葉に思わず耳を疑う。

「は?うずまきナルトを監視しろ?」
「そうだ。ナルトの裏事情はお前も知っているだろう?」

裏事情とは。
きっと、というか確実に、九尾のことだろう。

「なんでまた俺なんすか。他の奴らだっていいじゃないっすか」
「ナルトのことは里の最重要機密だ。そこらの忍に任せる訳にはいかない」
「だったら俺よりも適任がいるでしょ。総隊長って方が」
「総隊長は長期任務中だ」

一瞬目が泳いだ。

こりゃ嘘だな。

「五代目、嘘がへ」

下手ですよ。

そう言おうとしたら、

「それにだ!お前はナルトと接点がある。監視しやすいだろう」

もっともらしい理由を付けられた。

「…はぁ。わかりましたよ」

ったく、めんどくせぇ。

なんでよりにもよってナルトを監視しなきゃならねーんだ。

つかホントのとこ総隊長はどうしたんだっての。

「そういや会ったことねぇな」

総隊長に。

総隊長は単独で行動してるみてぇだし、俺も単独だし。
まぁ会わないっていや会わないんだけどよ。
それって同じ幹部のもんとしてどうなの。

「気になるのか?」
「まぁ。嘘ついてまで隠そうとすると余計っすよね」
「うっ…」

苦虫を噛んだような顔をした後に、

「仕方がないだろう!里を潰すと脅されれば!」

さっさと行きな!と手でしっしっと追い払われる。

「へいへい」

火影も弱くなったもんだ。

火影部屋を出て、ふぅ…と溜め息を吐く。

「さて、と…」

任務開始といきますか。





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