お題
□先にいただいてます
1ページ/1ページ
《ノマシカナル←シカクヨシノ》
「こーんばーんはっ!」
元気よく戸を開いた先には恋人の母親。
「きゃーvVいらっしゃぁいナルちゃん!」
「お邪魔しますってばよ!ヨシノママ!」
いつものようにリビングへ案内され、いつものように椅子に腰掛ける。
そしていつものようにシカクとも挨拶を交わすのだ。
すでにナルトは奈良家の常連さん、否、お嫁さんと言っても過言ではない。
今日も今日とて、奈良家の夕飯に招待されたのだ。
「ナルちゃんの為に腕によりをかけて作ったんだから!」
「嬉しいってばよ!ありがとうヨシノママ!」
「どういたしまして!ナルちゃんの為ならなんだってしちゃうんだから」
「母ちゃんは本当にナルトに甘ぇな」
「あら、あなただって人のこと言えないじゃない。知ってるのよー、あなたがナルちゃんに色々貢いでるの」
「…言葉が悪ぃだろーが」
「ま、まぁまぁ2人とも。あ、俺お腹ペコペコだってばよ!」
「あぁ、そうね!シカマルは遅くなるみたいだから先食べちゃいましょ」
「そうだな」
「え、え?シカマルは?」
「「いーのいーの」」
睨み合う2人にナルトが仲裁に入ればさっそく夕飯になる。
息子のことなぞはどうでもいいらしい。
終始美味しい美味しいと幸せそうに食べていたナルトが、お腹いっぱーいとお腹をさすりながらお茶を啜る。
「ご馳走様でした!…ふぅ、やっぱりヨシノママの料理は世界一だってばね!」
「うふふ、ナルちゃんにそう言ってもらえて嬉しいわ。好きな物なんでも言ってね、沢山作っちゃうから」
「ありがとうってば!…でも、今度はやっぱりシカマルも一緒に食べたいな」
少し照れたように言うナルトに夫婦は一瞬きょとんとした後、うーんと腕を組んだ。
「ねぇ…ナルちゃん?一度は聞こうと思ったんだけど…」
「馬鹿息子のどこがいいんだ?」
真剣に聞いてくる2人に、自分の息子でしょというツッコミは置いといて。
「え?えー、とね?カッコイイでしょ?優しいでしょ?頭良いでしょ?それからね、」
恥ずかしいそうに顔を赤らめてシカマルの良いところを述べるナルトに、シカクはちょっと待てと話を遮る。
「ナルト…馬鹿息子はよ………変態、じゃねぇか?」
「…へ?」
考えるようにしばらく首を傾げたナルトだが、いきなり思い出したとばかりに顔から火を噴いた。
「…やっぱりか。あいつぁ変態の中の変態だからな」
「どこで道を間違えちゃったのかしらね」
「いやいや母ちゃん、あいつは生まれつきだ」
あらそうだったわね、と納得した2人は顔を見合わせ頷き合った後、ナルトの肩をガシリと掴んだ。
「ナルト、こんなことわざ知ってっか?」
「…?」
「“変態の子は変態”」
「し、知らないってば」
「そうよね、そんなことわざないもの」
「え」
「まぁつまりだ、シカマルの変態は俺らの遺伝ってこった」
そう言ったシカクがナルトの首に顔を埋めると、ナルトはピクリと可愛く反応する。
「息子の恋人と寝る。変態心をくすぐるじゃねぇか」
「し、シカクさ…!?」
「シカマルには内緒よ?」
「ヨシノママ!?」
2人の変態によってあっという間に上半身裸にされたナルトはなすすべなくされるがまま。
「っ、んっ…シカク、さ」
「は、イヤラシいねぇ」
「ナルちゃん可愛いーvVねぇこっち向いて」
「や、やぁ…んっ」
ナルトのピンク色の乳首をくりくりと転がすシカクに、可愛い姿を収めようとカメラを構えるヨシノ。
「や…、だめ…っ、はっ、あ」
シカクがズボンに手をかけた瞬間。
「ただいまー…あ?」
「「あ」」
開いたドアの先には、息子のシカマル。
ナルトの恋人、張本人。
「…な、何やってんだ…アンタら」
任務に疲れて家に帰れば、自分の両親に犯され目が潤んだ恋人の姿。
誰がこんなことを想像するだろうか。
わなわなと拳を握る息子に、しかし両親はあっけらかんと言い放った。
「「あ、先にいただいてます」」
「あーはいはい。ってんなワケねぇだろ!!!馬鹿親父っっっ!!!!!!」
シュン!と投げられたクナイをヒョイとかわし、逃げろとばかりに家を出て行ったシカクとヨシノ。
残されたナルトは夕飯より先にシカマルにいただかれ、逃げた2人は写真を現像しに行ったに違いない。
END.