お題

□種明かし禁止
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《スレシカナル+a》





七班と十班の合同任務中。






『絶体絶命』






まさにこのこと。










「どーすんだってばよ!カカシ先生!」
「チッ、これじゃきりねぇぞ!」





下忍らしくギャーギャー文句を言いながら必死に敵と戦う影分身を、遠目で眺めるのはその本体。


「連絡を受けて来てみれば…」
「随分苦戦してるみてぇだな」
「上忍が二人もいながらなんつー有り様」
「あの二人には後でみっちり調教が必要ですね」
「おいおい、口調が怖ぇぞ」


隣にいる自分まで冷や汗をかいたのだ。
向けられたカカシ、アスマにも悪寒が走ったに違いない。

そんなことを考えるのは、ピンチに陥った影分身から連絡を受けた暗部総隊長・蒼綺。
隣で黒い笑みを浮かべる相方を若干引き気味で見つめる。


「もし宜しければ貴方もいかがです?愛の調教」

「遠慮しときマス」


蒼綺の顎をツイ、と持ち上げて唇がつきそうなほど顔を近付けるのは、暗部総副隊長・黒影。


「そうですか、それは残念だ」


チュッと軽く口づけてしぶしぶ離れた黒影に、蒼綺はほんのり顔を赤らめて言葉を返す。


「てゆーかいつまでその口調なんだよ」
「いつもの口調だと、つい口癖が出てしまうので。顔見知りの前に行く時はコッチのほうがいいかと」
「ふーん」
「蒼綺はコッチの口調、嫌いですか?」
「そんなことねぇけど…」
「?」
「なんか…距離感じる」


唇を尖らせそっぽ向く蒼綺に、黒影はわなわな奮え上がる。

そして、


「可愛いっ!」


ガバッと抱きついた。


「なっ、ちょ!離せ、馬鹿マルっ!」
「おまえ可愛いすぎ!口調一つで壁なんか感じてんじゃねぇよ」
「だ、だって!」
「俺は俺だ。ナルトを愛してんぜ?」
「っ…、ぅ、ぉ、オレも…すき」


かぁっ…と真っ赤になった蒼綺を更にギュウと抱きしめた黒影は、その耳元に口を寄せる。


「ヤバイ…おまえ可愛いすぎ。我慢できねぇ」

「っぁ…」


ペロッと耳を舐められた蒼綺は思わず声を漏らす。


「ナルト…愛してる」
「シ、カ…」














((ってオイッッッ!!!!!))


(おまえらなに羨ましいことしてんだ!)
(ちょ、シカまで!?)
(つーかオレらちょーピンチなんですけど!)
(そ、そうだってばよ!)



((早く助けろよボケ!!!!!!))













「あ、そうだった!自分助けに来たんだった!」

「チッ」




影分身の声が脳内に響いて、蒼綺はハッと我に返り黒影は舌打ちを零す。

そして未だ必死に戦っている自分たちの班に目線を移した。



「さて、さっさと片付けて続きしましょうね、蒼綺」
「っ…!ぁ、あぁ」



赤くなりながらも素直に頷いた蒼綺に黒影はニッコリ笑い、そして二人はシュッと姿を消した。








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