小ねた

□挟まれた樺地くん
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「……ウス」
『あ!これ私がなくしたキーホルダー!』
「食堂に…落ちてました……」
『ありがとう樺地くん!』
「よくやった樺地」
「……ウス」


『……あのさあ思うんだけど』
「なんだよ」
『樺地くんて氷帝で一番いい男だよね』
「あぁん?テメー俺様を目の前にして何言ってんだ」
『いやだって思い出してみてよ普段の樺地くんを』
「普段の樺地を?」
『荷物を持ってくれる、怪我したら絆創膏くれる、しんどいの言えなかったらあくまで自然に保健室に連れて行ってくれる、あとは』
「そこまでだ」
『なんで』
「不愉快だ」
『なんで』
「自分の女が他の男の話をして嬉しいわけねーだろ」
『はあ』
「溜め息つくな」
『樺地くんの海より広い心を見習いなよ』
「樺地が海なら俺様は空より広いぜ」
『どや顔うぜー』
「相変わらず口の悪い女だな」
『相変わらず顔が悪い女!?』
「言ってねーよ」
『うわあぁぁん跡部が苛める苛めてくるよ樺地くーーーん!』
「あ、名無しさんテメーなに樺地に抱き着いてんだ!」
『うっさい跡部のあほ!あほべ!』
「とりあえず名無しさんを引き剥がせ、樺地!」
「ウ、」
『だめだめ樺地くん!離さないで!』
「樺地!無視しろ!惑わされるな!」
『離したら私泣いちゃうよ!』
「樺地!!」
『樺地くん!!』
「………ウス」



「ねーねー!おれさっきすっごいの見ちゃったCー!」
「なんやテンション高いなあ」
「で?何見たんだよ」
「樺地がビミョーに困った顔してた!!」
「な…なんやて!?」
「くそくそジロー!自分だけそんなレアなの見やがって!」
「あー!写メればよかったCー!」







とか言って悔しがりつつ跡部と名無しさんとジロー以外、誰も樺地の困り顔に気付けないっていうね。

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