「半兵衛さんっ」
振り返ると、そこにはきれいな浴衣姿の彼女がいた。
そうか、これは夢の中。
肺も苦しくない、病気がなかったら…、この様になれたのかな
「半兵衛さんっっ!!」
「ああ、ごめんごめん」
プクーッと頬を膨らまして拗ねる彼女は、すごく可愛いと思った。
「今日は、花火大会連れて行ってくれる約束でしょ?」
「そうだね…君は花火が苦手なんだっけ?」
「そんな事ないです!音が…ちょっと…嫌なだけです」
「それを苦手って世間では言うんだよ」
「だから苦手じゃないですって!!」
「クス…分かった分かった」
そうして彼女の頭を撫でた。子供扱いは止めてと、また頬を膨らます。