宝箱(文)
□無題(サクヤ様)
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「‥あんまりしつこいと噛み殺すよ」
「クフフ、出来るものならやってみて下さい‥」
うっとうしい。
最近この噛み殺したい変態が、僕の周りをうろついている。
(いい加減、本気で殺してしまっても構わないかな)
「‥‥っ」
僕は一見気にしていないそぶりを見せる。
そして、この隙を付いて身を引くと、コイツの背中にさっと回った。
変態の腕を後ろ手で捕らえ、トンファーを喉元に突き付ける。
「‥‥出来るならやっても良いんだよね?」
「‥えぇ、出来るなら」
この余裕ぶった態度に、また僕はイライラを募らせた。
僕は素早くコイツの足を蹴り崩すと、後ろから顔を思い切り殴り付ける。
‥はずだった。
「‥どこ狙ってるんですか」
「‥‥っ!!」
(‥いつの間に)
‥後ろを取られている。
というより気持ち悪い事に、この変態の腕が僕の胸の前でがっちりと組まれているのだ。(‥抱きしめられているとは死んでも表現したくない)
「‥離して」
「なぜです?」
(‥もう嫌だ)
毎日毎日並盛中の応接室まで訪れては、僕に気安く手を触れようとするこの男。
変態以外に表し様が無いだろう。
「‥なんでこんな事するの」
「なぜって‥」
僕にはまるで理解出来ない。‥したいとも思わないが。
「‥さぁ」
「‥っ!?」
「なぜでしょう」
(‥自分でも理解していないのか)
僕が少し呆れていると、不意に身体が反転した。
頭にガンとした衝撃があり、机の上に僕は押し倒されていた。
「‥殺すよ」
「‥出来るものなら」
変態の顔が近づいてくる。
今日もまた、僕はコイツに好き勝手にされるのか。
唇が合わさって、舌が入り込んでくる。
(‥気持ち悪い)
「‥‥っ!」
最後の悪あがきでもするように、僕はコイツの舌を思い切り噛んでやった。
口の中に血の味が広がっていく。
変態の血‥。
コイツの血だと考えるだけで、僕の身体に寒気が走った。
(‥溢れてくる)
案外傷が深かったらしい。鉄の味は僕の咥内を満たしていく。
それでもコイツは離れないけど。
(‥いつか絶対殺してやる)
僕は心の中で決意すると、この変態をボコボコに殴り潰すのを想像していた。
END
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おおおお雲雀受だよ・・・!
しかもラブの無い辛口ムクヒバだよ・・・!
今まで読んだムクヒバで1位かもしんないツボ。これだよ、この雲雀。嫌がる顔を想像するだけでウチの淫乱ツナがいっちゃう雲雀だよ!(※うちはつなも変態だよ☆)
ぜひシリーズ化してほしい。
とっても嬉しかったですサクヤさんありがとう!!
また期待してますぜ。
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