文(リボーン)
□ラ・カバニスト
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「ひ・・・ぁ、あ・・・・!!」
「恭弥、恭弥・・・なんでオレから離れようとするんだよ。」
打ち付けたそこからも、身体のあちこちからも血が流れ、ぎしぎし音を立てて拘束する鞭にも悲鳴は掻き消せなかった。
ディーノは強く目を閉じる雲雀の貌を目に焼き付けようと凝視していた。
それは今朝の事だった。
「やめてもらえませんか、雲雀さんに手を出すの。」
さすがと言おうか、ボンゴレボスの座にある綱吉の眼光にはさしものディーノも気圧された。
平生の綱吉が自分に向ける筈もない視線の鋭さに、その理由は明らかだった。
「わざとでしょう?」
昨日の情事を綱吉は見ていた。そして、ディーノはそれに気付いていたのだ。
何度も最中に目が合ったのだから。
「何?独占欲か?」
「違いますよ。オレは、オレの物がお互いに仲良くしてるのなんて気にしてない。」
故意に付け続け、もはや手錠のように鬱血が常になった雲雀の手首のことを言っているのだ。
「あなたはこれ以上気付いちゃいけない。」
ディーノが内包する危うさに。元々出来の良かった人間が持ち得ない、周囲への恋慕と孤独への恐怖。
それは対象への愛情が深いほどその形を歪に変えた。
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