文(ハガレン)

□唇には罠
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唇には罠

「!やった!かかったね、兄さん。」

「アールー…。なんだ、この完膚無きまでのワイヤーすまきは。
オマケに足枷とオリ三重かよ!」

「気付いて無いだけでまだまだいろんなトラップにかかってるよ。」

「そういう事を聞いてんじゃねぇ!」

「えー…。まず地雷トラップを兄さんの逃げそうな場所に仕掛けるでしょ、通るとオリが落ちて来るんだ。 兄さんは当然錬金術でオリを分解する。でもあのオリ、強力磁石をファイバーに練り込んで作ったワイヤーを鉄でコーティングしてあったんだ。 兄さんは表面に騙されて鉄分解したから、行き場がなくなった磁石入りワイヤーが機械鎧に向かって引き寄せられたってわけ。 一つトラップが作動するとどんどん連鎖するんだよ。 三重のオリは三種類れぞれ強度が高くて異なる素材を混合して出来てて分解も切断も容易にはペラペ〜ラペランラペラペラ・・・」

「トラップの構造を聞いてるんでもない!ほどけ!離れろ!!近寄るな!!!」

「ふふ。兄さんたらこれから自分がどうなるかわかって恥ずかしいんだね。かわいいよ。」

「………………わかったよアルゥ。でもオレが初めてなのは知ってるだろ?まずはキ、キスからにしてくれよ。」

「にっ兄さん……!もちろんだよ。優しくするからね。」

「ん………。」





カッ!バシバシ……ブチン!





「わぁ!なに、なにこれ。なんで兄さん拘束されてたのに機械鎧が斧形なの?え、錬成?!」

「わーっはっは詰めが甘いな弟よ!唇に錬成陣を仕込んどいたんだよ。お前の唾液に反応して浮き出るようにな!さぁてハンデ無しだ、覚悟しろよ!」

「いえ…ボク負けで良いです………。」

「ハァ!?何だよ急に。」

「だって兄さん、唇にボクの唾液って…。キスしなきゃそのトラップ発動しないんだけど。」

「他の場所にも山ほど仕掛けたけどな。」

「そうなんだ…。ボク今日はますますもういい。散歩してくるね。愛してる、兄さん。兄さん、愛してる………。」



「行っちまった・・・。はは、あいつ勘違いしてんな。オレ結局、抵抗止める気は無いんだけど。」



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アルのトラップは全部で200個。前回は3000個でしたが、兄さんのかかりやすいトラップの傾向を理解したため、大幅な精度向上に成功しました。

起床からトラップ合戦を開始し、現在は夜。アルはクールダウンのお散歩へ。
帰宅すると湯上がりの兄さんがイタズラ心満載でアルのベッドに寝ています。

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