文(ハガレン)
□退廃の退廃たりえぬところ
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「どうしたの?エドワードさんだってこれ以上のことしたがる人がいてもいつも好きなようにさせてるでしょ。今のアルフォンス君なんて正にご挨拶じゃないか。」
「いやっ・・・アルはそんな下品な起こし方しないんだ・・・!」
瞳が弱々しく揺らめく。盛り上がった涙が光を乱反射させた。
「「ええ?下品な起こし方だと思ってたの!?」」
期せずして声が揃ったアルフォンス2人が顔を見合わせる。
「「自分のこと棚に上げてさー!」」
左手で筒を作り、そこに右人差し指をズコズコ出し入れする。
こんなところまで息ぴったりだ。
「それどこで覚えた!?本気で怒るぞアルッ!!ハイデリヒ、お前も大人ならアルをちゃんと躾けろ!」
「あれ。僕はいいんだ。」
ズコズコ。
「どうして?ボクと兄さんだってこういうことしてるじゃない。」
ズコズコ。
「止めろ、その手!」
我慢ならなくなったエドワードがベッドに乗り上がってアルフォンスの頭を思い切り殴る。
鈍色に光る麗しの機械鎧だ。
「いっ・・・たーーーーーーー!!!」
「・・・うぅ・・・」
アルフォンスとエドワード、同時ダウン。
ハイデリヒが上手に二人をキャッチした。
世話のかかる2人との同居で包容力とフォローテクニックは17歳離れしている。
「どーん・・・。」
そのまま後ろ向きに倒れて寝転び、腹の上の二人をあやす様にぽんぽんと叩いた。
「アルフォンス君、痛いの痛いの飛んでけー。ほら、もう痛くないね。」
頭のたんこぶを撫でさする。
「エドワードさん、もう今ので一年分くらいのやる気使い果たしちゃったんでしょ?」
世にも珍しいエドワードの涙を拭う。
「・・・ふふ、みんなもう一眠りしようね・・・。」
ハイデリヒが体の上の二人を緩く揺さぶりながら低い声で歌い始めた。
Ein Prosit, Ein Prosit, der Gemultichkeit
Ein, Zwei, Drei, G'suffa…
ハイデリヒの声は耳に心地良い。
疲れきったエドワードは子守歌を歌ってくれた母を遠く残像で捕らえながら、魅惑的な「もう一眠り」の誘いに乗ることにした。
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別の日。
「もうっ兄さん、また外でしてきたね!?ばか!淫乱!いいもん、ボクだってちゅーしちゃうから!ハイデリヒさーん!!」
「あぁ・・・良いぜ。今はオレの目が届いてるから何しても、相手はハイデリヒだし。」
「へー、いいんだってさ。はいどうぞ、アルフォンス君。」
「きも!なんで見てる前なら良いんだよ兄さん!全くもって兄さんの衛生観念が理解できないよ。」
END
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エド倫は色々厄介。
あーキャラ違いすぎて顰蹙買いそう。
退廃的なエドワードが唯一夢を見る電波妄想対象が弟ってことで、なんか下品なこと言わない・しないのがアルだと思ってます。
(自分とするのは別)
あと自分の見てないところでアルフォンスが何かするのはイヤみたいです。
そこら辺の線引きは彼独自。兄弟ってそういうのありませんか。
アスタロスや、リクいただいたアルリヒですよ。