捧色の間2

□霞の華はまだ渡さない
1ページ/5ページ

・・・――休日、貴陽紅本家別邸に、超絶不機嫌な者が4人集まっていた


不機嫌の理由は単純、普段とても忙しく――養い親のせいで――休みなどなかなか取れない可愛い可愛い彼等の“娘”が、今日は休みということで、黎深は可愛い可愛い・・・娘とどうやって休日を過ごすか色々と考え、鳳珠達も同じ思いで紅家を訪ねたのだが・・・


可愛い彼等の宝物は、藍を纏った男に奪われてしまった


そう、絳攸は今、楸瑛と一緒に外へ出かけている



・・・―――「大丈夫かい?絳攸。人がかなり多いけど・・」


楸瑛は恋人の手を取ってゆっくりと歩きながら、気配や音に敏感な絳攸を気遣う



絳攸は、休日になると時間を持て余す

普段仕事で、見えにくい目を無理に酷使しているため、休日は目を休めてやらなければならず、長時間に渡って本を読んだりは出来ない


だから楸瑛は、独りで外出出来ない絳攸を外に出してやるために、昨日絳攸を

「明日、一緒に出掛けよう?」と誘ったのだ
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ