捧色の間2
□霞と紅の始まり
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・・・・―――「何故止まった?」
軒が急に止まったので、不審に思った黎深が訊いた
「子供が・・」
と、言い淀み言葉を濁した軒の引き手に眉をひそめ、溜め息をついて軒を降りた
「おい、お前、邪魔だ。どけ」
とても子供に言う言葉とは思えないが、それが紅 黎深である
「あ・・・・ごめん、なさい」
素直に謝った割りには、ちっとも黎深の方を見ていない
「おい・・」
黎深が呼んだ
「あの、ごめんなさい」
もう1度素直に謝って来た
それでも、黎深と視線を合わせていない