泣ける2ちゃんねる

□仕事の話
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■道化師の涙■



昔ある国に演技の上手い道化師がいた。どんなに仏頂面の人でも道化師の演技を見た瞬間に笑顔になりました。近隣諸国からも見に来る人がいるほど絶大な人気を誇っていた。そんな道化師に国王から来賓へのレセプションの為に道化師と小屋の仲間が呼ばれました。

レセプションの当日、道化師の息子が大病を患って寝込んでしまいました

年をとってから出来た子供で道化師の夫婦はとても可愛がっていました。
「今日のレセプションを断ろうか?」と道化師夫婦が相談をしていると、息子がベットから体を起こして「パパの道化師大好きだよ!だって見る人全ての人が笑顔になるんだもん!僕はそれを見て喜ぶパパが大好きだから僕の事は大丈夫だから、皆を笑顔にしてきて!」


道化師は後ろ髪を引っ張られる気持ちでレセプション会場に向かいました
会場に着いてから仲間達は口々に言いました。
「こんな日ぐらい休めば良いものを!そんなに名誉が大事なのか!」
道化師は演技をして会場をわかせました。
使いの者が道化師に耳打ちをしました。


「先程息子さんが息を引き取られました。今すぐお帰りになって下さい」


だが道化師は演技を辞めずに、会場をわかせ続けた。


「子供より名誉を取りやがった!」仲間が罵声を浴びせます。しかし会場がざわめつきました



「道化師が泣いている」



道化師は息子の願い通りに会場の人々を笑わせていましたが会場に居た男の子が息子とダブり泣いてしまったのです。顔は笑っているのですが涙が止まりません。


その後道化師はステージで泣いた事を恥じて二度とステージには上がりませんでした。他の道化師達は彼を讃えてメイクに一筋の涙を書き加えました。



笑顔の下には深い悲しみが隠されているのです。
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