怪談な２ちゃんねる
□洒落にならん怖い話
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□悲しい先輩□
俺の職場での話。俺の職場の先輩は面倒見も良いし仕事も確実に取引先から指名で仕事が来たりする。
ただちょっと困った事は異様に家族のことを大切にしてると言う事。
奥さんや娘さんの事を話し出すと止まらなくなって休日明けなんか家族となにをやった、どこへ行ったなど写真を見せびらかし話してくる。
それだけなら家族を溺愛するいいお父さんで話は済むんだけど・・
問題は奥さんと娘さんは既に交通事故で他界されてること。
それ以外は本当に頼りになる人で仕事にも支障がないから皆触らないようにしている。
で、いつぞやでの忘年会のこと。その年は割りとデカイ仕事が成功して忘年会はかなり豪勢だった。
先輩もいつになく上機嫌で普段は絶対にしない深酒をして終いには歩くどころか椅子に座ってるのもままならない状態になっていた。
そんな状態だから一人で帰す訳にも行かないけど、先輩は家族がまっているからと、帰ると言ってきかない。社長命令で仕方なく俺ともう一人の同僚で送って行くことになった。
同僚は下戸なので車に乗って来ていたので、その車で先輩の家まで行くことにした。先輩はどっから見ても酔いつぶれてるってのに、いつの間にか持ち帰りを頼んでいて、それをしっかり抱えていたのを覚えている。
先輩の家に着くと当たり前なんだけど家の中は真っ暗。いくらか回復してた先輩は『もう寝ちゃってるなー。』と言って笑った。
お茶ぐらいだすからと言うのを、とっくに日付も変わっているからと断ると、
トタタタタタタ
がちゃ。
玄関が開いた。
『なんだー。起きてたのか。お土産あるぞー。』と、どこか嬉しそうな先輩。真っ暗な家に入っていく先輩に俺らは、それじゃ。と言って車に乗り込んだ。車の中でガチガチ震える俺ら。
『・・・なぁ、先輩は何と住んでるんだ？』
今でも誰も映っていない風景だけの奥さんと娘さんの写真を見せてくる。