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□電話
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暑い日。
こんな日に仕事をしろなんて、
この国はどうかしてるんじゃないか。

それに合わせ、面倒な上司と電話をしている。
相手はもちろん太子である。
正直つらい。



『 好 き 』

いきなり相手から聞こえた声。

仕事中にかかってきた電話だ。
仕事に集中しなきゃいけないけど、
一気に耳まで熱くなるのが分かった。

案の定、同じ部屋に誰もいないので
話すことはできた。

「い、いきなり何ですか・・!!変なこと言わないで下さいよもぅう〜〜!!」

『妹子は?』

「え?」

『私のこと好きか?』

いきなりな激突すぎる質問。

「ばばば、ばかですね、いきなり何言ってんですか!」

『照れてないで言えよー、ほれほれー!』

電話越しに、愉快そうな太子の声。
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。

好きではあるが、僕のほうからは、
あまり言ったことがない気がする言葉。
それに比べて、ばんばんばんばん言いまくる太子。
こういう質問はされたことが無いだけあって、尚更言いにくい。

言ったら言ったでからかわれるかもしれない。
言わなかったら、怒ってしまうかもしれない。

ちっぽけで、大きな疑問が渦巻いた。
そのせいで仕事なんて止まってしまう。

こんなもの言ってしまおう。
そう決心した。

「す、すき、ですけど?多分。」

言ってしまった、と、後悔が八割。
後の二割は恥ずかしさ。

そんな二割せいで、
体中が熱くなった気がする。

『え、え、いま、言ったな!すきって言った!ヒャッホウ!妹子ちょっと結婚しよう!!』

「はぁ?!!いやですよ!ほんっと馬鹿ですね太子!」

あっちも言われて慌てふためいている様子が丸分かりで
少しにやけてしまう。

そんなことで、「面倒」なんて消えてしまって、
こういう時間が増えればいいな、
なんて思ってしまったりして・・


「小野は楽しそうでいいな。」


馬子さんの声が聞こえて
一瞬で電話を切った。



翌日太子には面倒なことを散々言われた。
こういう時間は減ってもいいと思う。





______________

妹子は好きってあんま言わなそうっていう・・・^p^
gdgd!

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