小説
□迷子の猫カフェ
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もうだめだと気付いた時には遅かったんだと思う。
好きって気持ちがあったはずなのに…。
今では顔を見るだけで罪悪感…。
「最悪…ズビッ…」
雪がハラハラと舞う季節。
私は彼氏と別れた。
大好きだった。本当に。
でも 会ったらエッチをしたがる彼を少し嫌に感じた。
「体だけが目当てだったのかな…?」
友達に男なんて皆そうだと言われた。
「でも…、本当に好きだったのに…。」
綾は公園のベンチに座った。
涙止まるまで帰れないよ…。
それにしても…、寒いなぁ。
『綾…?』
誰もいないはずの公園から聞き覚えのある声がして、綾は声のした方向を見た。
「タケル…?」
同じクラスの大山武が道路からこっちへと向かってきていた。