BASARA小説
□夢飛び出し
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とても悪い夢を見た。気がする。目の前で誰かが…。
私を殺そうとした。私を突き落とした。その人は…佐助に見えた…−
…−
「−…すが…!かすがっ!!!」
いきなり現実に引き戻されたようだった。
目の前が真っ暗だったのに…光がさした。
かすがは眼を開いた。
目の前には猿飛佐助。
なんの夢なのかと思ったがどうやら、夢ではない用だった。
佐助は凄く顔を真っ青にして、汗が流れていた。
「なんだその顔…なんでお前が…」
かすがは僅かに微笑みながらそういって、佐助の頬に手を伸ばした。
佐助はその手を両手で強く握った。
「ごめっ…ごめんな…かすが…。俺様がそばにいれば…」
佐助の目から涙が溢れ出て、かすがの頬に落ちた。
涙は少しだけ温かかった。
なんで…こいつはいつも自分を追い込むのだろう…。
かすがは佐助の手から自分の手を外し、両手を前に伸ばした。
左手には綺麗に包帯が巻かれていた。
「私は…、なんで包帯を巻かれてるんだ…?」
なんで保健室で寝ているんだ?
なぜこんなに…体が、足が…痛いんだ…?
「かすがは…階段から落ちたんだ…。」
佐助は息を吐くような、今にも消えてしまいそうな声でそう言った。
私が…階段から落ちる?
正直信じられなかった。
佐助曰く、私は放課後にある場所へ呼び出された。
一通の手紙により。