BASARA小説
□ヒダマリとカゲ
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ピンポーン…−
いつも決まっている。
このドアが放たれるのは10秒後。その前にドタドタと走る音が聞こえてくる。
そして…、ゆっくりと扉が開く…。
「遅い」
元就は手土産を片手に突っ立ったままそう言った。
「ど…どうしたんだよ、元就…」
上半身裸で元親はドアを開けていた。
「そのような格好では色々と危ないから、服を着ろと前にも言ったであろうが」
元就は、元親の腕の下を潜り抜け玄関へと入った。
「いや、部屋の中は暑いしな。それに元就の前以外ではやらねぇよ」
どうせ見てから開けないくせに…こいつは何を言うんだか…。
もし…、独眼竜が来たらどうするというのだ。
元就はため息をつき家へと上がった。
「あー! ちょっと待て元就っ…そっちの部屋はダメだっ−…」
必死に元親は部屋のドアを閉めた。
そこに何があるのか…元就は気になって仕方がなかった。
「ここはダメ。俺の部屋はダメ」