BASARA小説
□ヒダマリとカゲ
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そういって元親は元就の背中を押し、リビングに押し込んだ。
「緑茶でいいよな」
元就は頷いた。
そしてクッションを抱き締め、正座をする。
今日元親の家にきた理由など特にはなかった。
ただ、少し顔がみたくなっただけだ。
そんなことを考えながらぼーっと元親を見つめる。
いつも通りアホみたいな銀色の髪は前髪をゴムで結んでいて、両耳にピアス。
上半身裸で、鍛えられた感がある筋肉。
下は普通にジーンズを膝まで捲っていた。
なぜか鼓動が早くなる。
「ほい」
両手に持っていたお茶の片方を元就に渡した。
グラスは氷がぶつかり、からんといい音がなる。
ごくりと一口飲み、視線をリビングの写真たてへとやった。
去年の体育祭でとった写真が飾られていた。
そういえばこんなのあったな…、懐かしい。
ぶー…ぶー……
テーブルの上で元親の携帯がなる。
チラッと見えたが着信相手は、伊達政宗とみえた。
そういえばこいつ…、伊達と仲が良かったな…所詮こいつも捨て駒にすぎぬか…。
つまらん男だ。