CLAP*Nobel


□Crazy LifeU
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と、ある街中。
日本で言うところの「銀座」とも言える華やかな街に、容姿端麗な男性五人組が経営している「Crazy Life」と、言うお店がある。
カラン♪カラン♪
その店の扉を開くと、支配人であるチャンミンが笑顔で一礼して出迎えていた。

「ようこそ、当店Crazy Lifeへ…お客様、お荷物をお持ちしますね。」

お客様がチャンミンに礼を言うと、チャンミンは満開に咲いた花のように微笑み、お客様が手に持っていた荷物を受け取り、席へと案内をする。
お客様はいつも支配人の傍にいる筈の社長の姿が無い事を不思議に思い、キョロキョロと辺りを見渡す。
その視線に気付いたチャンミンは、困ったように微笑み口を開く。

「申し訳御座いませんが、只今社長は席を外しておりられます。」

お客様が驚いた表情をすると、チャンミンはまた困ったように笑った。

「えぇ…その…外で会議でして…」

チャンミンは困ったような微笑みをお客様に向けると、手元にあったベルをチリンチリンと鳴らす。
そのベルが鳴り終わると同時に、部屋の奥から三人のまだ見た事がない顔の男性が掛け出してくる。

「チャミナっ、呼んだ?」
「今日は間に合った!」
「ねぇ、俺まだ、眠いんだけど…」

三人が言い終わると同時に、チャンミンが手の平をパンッパンッと叩き黙らせる。

「皆さん?お客様の前です。身だしなみを整えて下さい?」

チャンミンの言葉を合図に一斉に部屋に戻り、エプロン、ジャケット、ベストなどを着込み、さっきの三人と見違える程、キチンとした格好でお客様の前に並び、三人同時に胸に手を当て、お客様に丁寧に一礼する。

「見苦しい姿をお見せしてしまい申し訳御座いませんでした。私、当店で料理人をさせて頂いております。キム・ジェジュンです。以後、お見知りおきを…」

彼女持ち(ユチョン)のジェジュンは、お客様の前で膝を付き、手の甲に軽くキスを落とす。
天性のフェロモンと声音、そして骨格。
ジェジュンは正真正銘のナンパ男である。

「むむ?」

ユチョンは眉間に皺を寄せると、ツカツカとジェジュンとお客様の元に歩み寄り、ジェジュンの手をペシリと叩く。

「いったぁ…何すんの?ユチョン」
「ダメ」

ユチョンは、お客様の顔を睨み付けながら言う。

「ユチョニヒョン」
「だって!チャミナっ」
「ユチョニヒョン?」
「…はぁーい」

ユチョンは不機嫌丸出しの怖い顔のユチョンに息を呑む、お客様を見て、ぶっきらぼうに言う。

「…ユチョンです」

不機嫌丸出しなユチョンに、愛想よくニコッと微笑むお客様。
だが、ジェジュンと付き合っているユチョンは短く「興味ない」と呟き、奥にある部屋に入ってしまった。
そんなユチョンをフォローするかのように、ジュンスが人懐っこい笑顔を携え、ニコッと笑うと、ペコッとお辞儀をする。

「こんにちは、お客様…僕、ジュンスっていいます。僕は受け付け担当だから、いつでも話に来てね?いつでも相手になるからね♪」

ジュンスは子犬のような人懐っこい笑顔をお客様に向けると、気配を察したように扉の方に視線を送る。
チャンミンは「ふぅ…」と、長く息を吐き出すと、お客様に向かって軽く会釈をする。

「申し訳御座いません…暫く帰ってこない筈の社長が帰って来てしまいましたので、少し席を外させて頂きますね…」
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