CLAP*Nobel


□任侠2
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『チャミナ、どこだ?』
「ユノ様……こちらです」

こんにちは、私はチョン家に嫁いで来たチャンミンです。
ユノ様は、あの一件があり私の外出を禁じました。
そして、(私は辞めた訳ではないのですが)当分暗殺業をお休みする事になりました。
勿論、ユノ様の命令です。

『今日は暖かいな』

ユノは小さく呟く。

「そうですね…」

チャンミンは、柔らかく目元を和ませると、傷付いたユノの体を見る。
ユノ様は相変わらず包帯だらけです。
古い傷が、やっと治ったと思ったら、また新しい傷を作ってくる。
前に私を庇った傷も若干、塞がりつつあります。
何故、私を庇ったんでしょう?確かに避けれはしませんでしたが。
まぁ…これをユノに問い掛けたら…「お前が好きだからに決まってんだろ?」って、あなたは絶対そう言いますよね。
あの時も…そうでした。
確かあれは…高校の時。

――――――――――………

『シム!』
「あなた!何故、ここに!?」

仕事中…どこからか現れた、同じクラスのヤクザの頭…チョン・ユンホ。
何故、ここに?

『お前……瞳』
「っ」

しまった…見られた。隠したかったのに…
あなたに気を取られ、襲い掛かってくる影に全く気付かなかった。

『シム!?』

あなたの言葉を聞き、「僕」の腹部から伝わる激痛。
傾く体…遠退く意識…霞む景色…振り下ろされる刀。
こんなところで死ぬのか…。
あの時はまるで他人の事のようにそう思えた。
だが、自分の体に痛みはなく、その代わりに少し息を呑む声が聞こえてきた。

『っ』

ふわっと、「僕」の体を包み込む暖かさが、少し身じろぐ。
「僕」を庇った―――?

「な、んで…」
『いっ…』
「な、んで…僕を」

そう言った「僕」に、微笑むあなた。
その微笑みを見て、「僕」は意識を手放した。
意識を取り戻したのは、それから3日後の朝。
チョン家の屋敷の一角で、朧気に目を覚ました。
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