日和

□出逢えない、運命
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あーあ…またダメだった。

激しい職務の合間に下界をのぞくのが大王の趣味だ。人間観察、と言うのだろうかこういう場合も。大王の場合、転生した魂がどんな人生を歩みだしたのかをみるのが楽しいらしい。
大体は現世に生を受けたときから数年のぞくだけなのだが、たまに気に入った魂があるとその者の人生全てを観察し続けている。家族関係、恋愛模様、全て。
最近また気に入りの魂が転生したとかで職務もそっちのけで毎日日がら観察。
その魂が、飛鳥時代に摂政という役職についていたという男と、その部下の栗色の髪をした男。

大王。

あ、鬼男くん!ちょうど良かったこっちきて。

…はい。


僕はあまりこの趣味を好ましく思っていない。のぞく、というのがかんにさわるからだ。

なんです?

見てみなよ。

下界の様子がうつし出された鏡を大王ごしにのぞきこむようにして見てみると。
わかる?

…ええ。

そこには1人の赤い服の男と、青い服の男。
先ほど話した男2人がうつしだされていた。
けれど青い男の様子がどうもおかしい。腹部は鮮やかな赤に染められている、血色の良かったはずの肌は血を吸いとられたかのように血
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