日和
□ふたりの気持ち
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「…ん…?」
朝起きたら朝日が障子の向こうから部屋の中を明るくしていた。
ああ、朝聞く小鳥のさえずりってなんでこんなに心地良いんだろう…。
…って、
「…ぇえっ!?朝ぁ!!?」
慌てて起き上がると机の上には綺麗に後片付けされている筆やら硯やらがあるのとは対に、昨晩自分が手をつけていた巻物が消えていた。
蝋燭も最後まで残った風ではなく、誰かが自分が寝てしまった後にこの部屋に訪れたことを肯定していた。
そしてなにより、自分の上にあったジャージは誰がこの部屋に来たかを証明するようなものであった。
「…太子?」
こんなものを着ているのは妹子が知る限り1人しかいない。
「…太子…。」
自分の体温がうつってまだ温かいジャージを妹子は握りしめた。
「…太子…、…僕、」
あなたが好きです。
…いつの日か、伝えられたら。
end…?
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