いつもなら臨也さんなんて見かけてもスルーしようと思うんだけど。
「うわぁ、綺麗ですね」
今日は彼の持ち物に興味が湧いて呼び止めてしまった。
思えばこちらから声をかけたのなんて初めてかも…
「赤いのが[アンクルウォルター]で、黄色いのが[ゴールドバニー]ってゆーんだよ」
「へー!詳しいんですね。どこで買われたんですか?」
「いや、信者の子に貰ったんだ」
「信者?」
「ハハ、こっちのはなし」
うーん、まぁいっか。
にしても綺麗だなぁ
一輪だけでも十分なそれは、何輪もの赤と黄が束になることで威圧的な存在感を放っていた。
「と、ゆーのは冗談で」
帝人がまじまじと眺めていると、可笑しそうに笑った。
「実はさ、これ帝人くんのために買ったんだ」
「うぇっ!?い…いいですよ、こんな高価そうな物」
「ふーん…じゃあ捨てようかな」
「え!そんな勿体無い」
「だっていらないんだろ?だったらこんなのあったって邪魔なだけだし」
なんてことを言うんだこの人は!
「〜いります、いります!それ僕に下さい!」
「ほんと?よかった」
はい、どーぞ
簡単な仕種なのにとても紳士的にみえる。
これだから美形はずるい。
「あ…ありがとうございます///」
「どーいたしましてv」
すごい…近くでみると余計迫力が(良い意味でね)
「ねぇ帝人くん、何で俺はわざわざ2種類のバラを用意したんでしょうか?」
「んー綺麗だから」
「アハハ、確かに。でも残念、ヒントは色にあるよ」
色…なんだろう
「わかんないです」
「花言葉ってあるだろ?1つ1つの花には意味がつけられている。人間はほんと、面白いことを考えるよねぇ。よくそんなめんどくいことしようと思ったもんだ。とても俺には真似できないよ!まぁしたくもないけど。でね、それを2つ合わせると違う意味を持つことがあるんだ。例えば赤いバラと白いバラだと"和合"になる。そしてこの場合だと、」
どんなに貴方が不実でも
(俺は君を想い続けるよ)
100713
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臨也さんが普通(?)の人に…