カフェオレ
□カフェオレ 〜その2〜
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そして、次の週
仕事が早く済んだので
あのカフェオレを飲みに出かけた。
宏宜「こんにちは〜。」
マスター「いらっしゃい」
宏宜「あれ?」
マスター「のりちゃんかい?今、買い物お願いしてるんだ。もうすぐ帰ってくるよ。」
しばらく、マスターと話をしていると
のり「ただいま〜(^O^)」
マスター「おかえり。」
宏宜「おかえりなさい。」
汗をかきながら、ニコニコした笑顔で、
のりさんは帰ってきた。
どきん(*--*)どきん
のりさんの笑顔に、ドキドキが止まらなかった。
《やっぱり…》
先週、ここに来たときから、ちょっとは気付いてたんだ。
笑顔でカフェオレを薦めてくれた時から、
甘いクッキーを口にした時から
僕は、のりさんに…。
のり「こんにちは。いらっしゃい(^^)もしかして、お待たせしちゃいました?」
宏宜「え?いや、大丈夫です。」
のり「すぐ作るね。特製カフェオレ。」
振り向くと、マスターは常連のお客さんとの話に、夢中になっていた。
のり「あ〜(>_<)牛乳買い忘れた〜」
宏宜「僕、買ってきますよ。」
のり「ほんと?助かる〜」
僕は、なんだかちょっと嬉しくて
浮き足立って買いに出かけた。
こんなに、
急に、想いを強く感じたのは初めてかもしれない。
元々、自分からアピールなんて出来ない方だし、
これ以上、近寄ることも無いかもしれない。
それでも、もうしばらくは
この気持ちに酔いしれていたい。
店に帰ると
のり「おかえり〜」
と笑顔で迎えてくれた。
宏宜「はい、牛乳です。」
のり「ありがとう〜」
宏宜《僕は、この笑顔が好きだ。この笑顔を見られなくなるなら、この気持ちは閉まっておこう》
のり「はい、特製カフェオレ(^^)」
宏宜「ありがとうございます。」
のり「えっ…と、名前まだ聞いてなかったよね?」
宏宜「宏宜です。中土居宏宜。」
のり「宏宜くん、敬語やめない?私のが年上かもしれないけど、今日から友達、っね?(^_-)」
宏宜「はい。」
《友達か…。それもいいかな。》
宏宜「のりさんは、ずっとここで働いてるんですか?」
のり「また、敬語( ̄○ ̄;)?まっ、そのうちだね。
ここには、ずっとかな。特に就職もしないままでね。」
宏宜「だから、手さばきが慣れてるんだ。」
のり「そう?でも、まだまだだけどね。そういう宏宜くんは働いてるの?」
宏宜「はい、一応。音楽関係の仕事に…。」
のり「へ〜。カッコいいね。」
―なんとなく、Leadの事は、言い出せなかった。
のりさんは、学生の頃から、ずっとここにいるらしい。
就職しようとも考えたらしいけど、この店の雰囲気が好きで、やめられなかったそうだ。
宏宜「ごちそうさまでした。おいしかったです。」
のり「もう帰るの?残念(´⌒`)。また来てね。」
―さて、
今日も1日、楽しく過ごせそうだ。