小説2

□無防備な君に花びらを
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堂々と遅刻した俺は自分の下駄箱を開けて一時停止。
そして瞬間的に深いため息を漏らす。

バサバサと音を立てて落ちたのは手紙の山で、俗にいうラブレターという物。
今までさっぱり恋愛事には無縁のイケテネー派の俺がどうしてこうも手紙を貰うのか。

いや 貰うのはいい。
俺も一応男だから貰うだけならまだ嬉しい。
俺をここまで呆れさせてるのは手紙を出してきたほとんどが男子からだということ。

もうため息を吐くしかないだろう。



「はぁあ〜〜……」

「遅刻しといてなんだデカイため息だな」

「げっ、アスマ!」

「アスマ先生、だろーが」



アスマ(先生)は遅刻したのを怒るでもなく 俺の鞄に入れられた手紙に視線を落とす。
そしてにやっと意味あり気に笑って背中を強く叩いてきた。



「なんだモテモテだなぁ!」

「ほとんど男子からだぜ」

「あー…」



俺にどうしろってんだよ と文句を垂れる俺を、アスマは何かを考えるように見下ろす。
アスマがじーっと俺を見る理由が解らず睨みつけていると、ふいにアスマが俺の方へ身をかがめた。



「なに…… ぃっ!?」



たばこ臭いなと思った瞬間 首筋にちくりとする痛みが走る。
意味が解らずきょとんとする俺に アスマはにやっと笑って言う。



「ま、無防備なのはお前のミスだな」



そうして 早く教室行けよ なんて自然に去って行ってしまうものだから。



「意味わかんね……」



痛みのあった首筋をさすりながら呟くしかなかった。

その後日から下駄箱に手紙が入ってる事は一切としてなくなったが 別の噂によって振り回される事になる。






「シカマル アスマ先生と付き合ってるってホント!!?」

「はぁ!?」




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シカちゃんは制服を崩して着るので隙だらけです。

読んでいただきありがとうございました!
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