小説2

□DESTINIES MEMORY
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「ん 何見てんだ?」



ひょいと見上げたその人は 俺の眺める巻物へ視線を落とした。
そしてさらっと読んで首を傾げるのだ。



「…歴史モン?」

「…多分?」



多分って…。
なんて苦笑いを漏らすゲンマさんに 俺も苦笑いで返す。



「(そっか 覚えてないんだ)」



それに少しだけ寂しさを感じながらも、ほっと一息吐く自分がいた。



「(でも、また 逢えた)」



口にくわえた千本をゆらゆらさせながら、不思議そうに巻物を眺めるゲンマさんにがばりと飛びつく。
その勢いのまま倒れたゲンマさんはきょとんとした後 ぎゅうと俺を抱きしめてくれる。



「なんだ どうしたよ」

「…またいつか 巡り逢えたら」

「ん?」

「今度はずっと 一緒に、」



一緒に笑い合おうな。
そう言って消えたあの人の言葉。
アンタは覚えてないけれど。
それでも俺を見つけてくれた。



「俺を離さないで ゲンマさん」



無意識に 背中に回した腕に力が入る。
そんな俺に、ゲンマさんは触れるだけのキスをして。



「もう二度と泣かさねぇよ」



そう言って笑った顔は何よりも素敵だった。


















――…運命の歯車は 時として容易に壊れてしまうものである。

しかし それでもまだ歯車が廻り続けているのだとしたら、

壊れる事もまた 運命と云えるのかもしれない……―――










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通常=NARUTOの世界です わかりにくかったらスミマセン!!

読んでいただきありがとうございました!
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