小説3

□最終電車
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「シカマル」



名前を呼ばれて閉じていた眼を開くと、目の前にいたのは瞼の裏に浮かんだ男で。
まるで護るかのように俺の身体を支えていた。



「…アスマ」

「もう大丈夫だからな」



アスマの安堵の表情を見てはっとする。
自分を弄る手は消えている。
周りを確認して、俺もようやくほっと肩を落とした。



「つか…なんでアスマがここにいんだよ」

「あー…それは、その」



近くにいたなら俺が気付いた。
アスマは困った、というよりバツの悪そうな顔をして 言い難そうに口を開いた。



「その、お前が入ってきたの見つけてだな 変な感じだったから…だから」

「だから?」

「ちょっと…無理矢理移動してきたんだよ」



悪いかよ と照れたようにアスマは言う。
混雑する車内を でけぇ図体したアスマが動けば他人は迷惑だっただろう。
俺は、少しだけ嬉しかったりもするんだけど。



「…助かり マシタ」

「…やっぱ電車止めたほうがいいんじゃねぇか?また狙われるぞ」

「そんな何度も狙われねーよ」

「現に狙われてんだろ」



反論できなかった。
でも電車以外で通学手段は見つからない。
自転車で行けない距離ではないが、やはり遠い。
ぐるぐると頭を回すが電車しかないと結論が出た時、アスマが決意したように言った。



「朝 車で迎えに行ってやる。もちろん帰りも」

「アンタが?俺のためにわざわざ?」

「ああ。…不服か?」

「………よろしく お願いシマス」



まかせとけ とアスマはにかっと笑う。
そんなアスマの隣で、俺は下を向いてつい黙り込んだ。


心臓が 有り得ないほどどくどくと鳴っているのも。
顔に熱が集まってアスマの顔が見れないのも。
何故か泣きたくなったのも。


痴漢されて恥ずかしいからなんだ と思い込ませながら。





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ゆん様大変お待たせいたしました!!!!!!
もう…土下座でも許されないですよこれは…(汗)
随分長くお待たせさせた上 終わり方がまた微妙な感じに仕上がってしまいました 申し訳ありません…!!

ゆん様に限り お持ち帰り 書き直し承っております!

本当に本当にごめんなさい そしてキリリクありがとうございました!


ちなみにアスマはカカシから車を奪うと思います(シラネー)
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