小説2

□漫画みたいな恋をする
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家を飛び出して 今までにないくらい猛ダッシュ。
脳内に浮かぶは担任と幼なじみの怒り顔。
栄養ゼリーをぎゅうと絞りだしながら 確認もせず飛び出した十字路。
視界に映った人影を、避ける手段は見つからない。

勢い良くぶつかった衝撃に、情けなくも尻餅をついた。



「いってぇ…!」

「ああ 悪いな急いでたもんで」



大丈夫か、なんて差し出された腕を辿って視線を上げる。
顔を捉えた瞬間どきりとした。

さらりと流れる茶色の髪に、すらりと伸びた長い足に身長。
差し出された手は細く長く整っていて。
男の しかも他人になどそう興味のない俺でさえもかっこいいと感じるほど。

呆然とする俺に、その人は心配そうに声を掛けた。



「ケガしてないか? ホントにごめんな」



座りこんだままの俺の手を引いて起こしたその人は、再び謝ってすぐ去ってしまった。
俺はその人の去っていった道を ただひたすら見ていた。
その背中が 見えなくなっても。
















「いの シカマルどうしたの?」

「知らないわよー 遅刻してきたと思ったらずっとあんな感じ。外眺めてぼんやりしたりため息ついたりさー」

「な…なんだか 恋…してるみたい だね」

「まっさかー!シカマルに限ってー!」

「「「((…………まさかねぇ…))」」」




カウントダウンは始まったばかり



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曲がり角でぶつかった人と恋に落ちるというベタな展開もいいなぁなんて思ったり。

でもシカちゃんは遅刻だからって走る子じゃないですよね(笑)

読んでいただきありがとうございました!
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