小説2

□おまじない
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事件は体育の時間に起こった。




ガシャン!





ハードル走を失敗したらしく倒れたハードルの隣でうずくまるその人物が我が愛しのシカマルだとわかるのと 走り出したのはほぼ同時だったと思う(もしかしたら走り出した方が早かったかも)。
クラスメイトに囲まれたシカマルを迷うことなく抱きかかえて、向かう先は保健室。



「ば バカ降ろせ!」



恥ずかしがって暴れるシカマルを抑えて全力疾走。
着いた無人の保健室のベッドに降ろして、ジャージの裾を捲り上げる。
目に映ったのは痛々しいほどの青い痣。



「あー腫れちゃってる 綺麗な脚が……」

「ほっとけばそのうち治るだろ」



けろっと悪びれる様子もなく言うシカマルに不安を抱く。
それだと多分すごい時間掛かんないと治んないと思うよ っていうか酷いケガでもほっときそうで怖い。

そう思いながらシカマルの細い足首に見つけ出した包帯を巻きつけていく。
白い脚に出来た痣は包帯で見えないし 本人はこれっぽっちも気にしてないけど、きっとすごく痛いんだろうな。
巻いた後もぼんやりとそんな事を考えていたら、まるで自然にシカマルの足首にキスを落としていた。



「って、お前何やってんだよ!?」

「へへっ 早く治るおまじない〜♪」

「治るわけねーだろ!!」

「じゃあ治るまでやったげる!」



真っ赤になるシカマルにぎゅうと抱きついて 染まった頬にもキスをする。
そこはケガしてねーよ って口を尖らせながらも嫌がんないで 逆に抱きしめ返してくれた。


傷ついた君の

白い肌にキスをして

はやく治りますように

おまじないをかけ続けるよ



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スイマセン キバに足キスさせたかっただけなんです
シカちゃんを姫抱きして欲しかっただけなんです

読んでいただきありがとうございました!
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