小説2

□右手に君の左手
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年に一回の花火大会。
神社の鳥居の前で待ち合わせ。
去年も同じだったけれど、今年からは少しだけ違うんだ。

数日前に無理矢理閉めた蓋を押し上げて零れた恋心を 砕ける覚悟でぶつけたら、シカマルからの返答はYES。
あまりの嬉しさに飛びついてぎゅーしてちゅーしたら、ピアスの光る耳まで真っ赤にさせるから俺もなんか恥ずかしくなったの覚えてる。

だから今年は恋人としてシカマルをドキドキしながら待ってるんだ。



「キバ!」



暗闇の向こうから名を呼んだのはもちろんシカマル。
紫の綺麗な浴衣を着て走って来たシカマルは 乱れた息を整えながら俺に向き合う。



「わ 悪い、遅れた」

「だいじょぶ 俺も今来たとこ」

「…そっか」



そう言ってシカマルはへらっと笑う。
息を整えるために膝に手をついてるもんだから 必然的に上目遣いになるわけで。
走って来たから少しだけ頬は赤くなってるわけで。



「(ヤッベぇ 超カワイイ!!!)」



心臓ばくばくなのを隠して とりあえず屋台の並ぶ境内へと足を進める。
そこでふと目に入ったカップルが 仲良さそうに歩くのを見て、俺たちもあんな風に出来たらってシカマルの方を見る。



「シカマル」

「ん?」



きょとんとしたシカマルの左手を素早く掴んで、人混みの中を歩き出しながら言い訳みたいに口にする。



「迷子になると困るからさ」

「はぁ?」



なんてそれらしい理由を付けて、本当はシカマルと手を繋いで歩きたかっただけ。

意味わかんねぇ なんて文句を言いながらも手を振りほどかないシカマルにほっとしながらも、考える事はひとつ。



「「((心臓の音 聞こえませんよーに))」」



考えいる事がバレないように真っ赤に染まった顔を互いに反らしながら 繋いだ手を離さないようにぎゅうと握り直した。









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実は漫画にしようとして失敗したお話です(ナニソレ)

地元が花火大会でした(知るか)

読んでいただきありがとうございました!
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