小説2

□恋人同士なら
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煙草をふかしながら 隣で書類を整理する部下へ視線を移す。
いつも通り髪を上に括りめんどくさそうに雑務をこなすシカマルは、その唇から文句のように恋人の話をしていた。

そして惚気とも取れる話をぼんやりとながら付き合っているのには シカマルの恋人が俺のよく知るカカシであるからだ。



「(まったくお前らいつの間にって話だよなぁ)」



身近にいながら気付かなかった自分に少々呆れ気味のため息を漏らす。
話を聞く限り どうやらそういった関係になったのは最近らしいが、こうして惚気られるということは良い関係であると思っていいのだろう(相手がカカシと知った時は不安でしょうがなかったが)。

口に溜めた煙をふーっと吐き出してシカマルの話に耳を傾けていると、ふと気になる事に気が付いた。



「そんでカカシの奴 メチャクチャな事言い出すし、上忍のクセして子供みたいな事するし」

「なあシカマル」

「あ?」

「なんでお前…カカシの事呼び捨ててんだ?」



前は"カカシ先生"って呼んでたろ?
そう訪ねるとシカマルは俺の顔を見てきょとんとした。
そりゃ恋人同士なら当たり前のような事だけど、シカマルが恋人だからと呼び方を変えるとは思えない。
シカマルは んー としばらく唸ってから、視線を書類に戻して言う。



「カカシが止めろって」

「先生呼びをか?」

「うん」



カカシが「名前で呼んで」じゃなく「先生を止めろ」と言った理由についてはシカマルもよくわからないらしい。
俺はカカシに会った時にでも聞いてみるかと 煙草を灰皿に押し付けながら思った。




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