小説3

□ホットミルク
2ページ/2ページ




正直、困った。
遠征任務から戻ったゲンマさんを出迎えた俺は 会うや否や手を引かれゲンマさんの家へ。
そして何をするでもなく後ろからぎゅうと抱きしめられたままベッドに腰を下ろしている状態。
それがもう1時間近く続いている。

最初は訳わかんないと同時に恥ずかしくてひたすら硬直してたけど、さすがにそろそろどうにかしなければ。



「あの……ゲンマ さん」

「んー…?」

「なんかありました…?」



気の抜けた返事をしたゲンマさんに問いかけてみると、少し時間を置いてから 何もないよ と答えてくれた。

ならなんでこんな事に…?

頭の中で理由を探すけれど見つからず、混乱する俺にゲンマさんはそっと囁いてくれた。



「長期任務で離れてたからなぁ」

「はあ…?」

「シカマル欠乏症につき充電中」



聞いた瞬間 身体が熱くなるのがわかった。
ゲンマさんの事だ、絶対真顔で言ってる。
冗談なら馬鹿じゃねーのと切り返せるのに 本気で言うからこの人は困るんだ。

結局なにも言えなくて もうどうにでもなれと諦め、大人しく腕の中に収まっていると まるで独り言のようにゲンマさんが言う。



「お前といるとほっとする」

「何ですかいきなり」

「多分もう、俺はシカマル無しじゃ生きれないんだろうなぁ……」



はは、と自嘲混じりに後ろで笑うゲンマさんに 俺は軽く唇を結んだ。

俺だってゲンマさん無しじゃ生きられない。
ほんの数日会わないだけで こんなにも寂しい。



「ゲンマさん 明日休みですよね」

「あー そうだけど」

「俺も 明日は何もないんで」



明日は1日 ずっと一緒に。

そう言うとゲンマさんは俺を強く抱きしめ直して、嬉しそうに照れたようにありがとうとだけ言った。




君といるだけ

たったそれだけで

こんなにも、幸せ




---------------------
雪華様おまたせいたしました!

甘さが少し足りない気がするんですが…(・ω・;)
明日はふたりでほのぼの過ごしてくれるハズ…。
雪華様のご希望に添えていると嬉しいです…!

読んでいただきありがとうございました!
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ