小説3

□空雪シンフォニア
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【空雪シンフォニア@】



side:牙


俺たちの住む村は凄い田舎だ。
学校なんて2学年合同だし テレビだって夜中は砂嵐。
娯楽物だってゲームもカラオケも映画館もない。
何かを買うにも、食品以外は隣町まで出なきゃならない。
しかも行くのに1時間は余裕で掛かる。
良いところといえば自然が豊かな事と、犯罪がない事くらいだろうか。

本日も気怠く学校への道を歩いていると、空き家に引っ越しのトラックを見つけた。



「(こんな田舎に来るとか物好きなヤツだな)」



ぼんやりと考えながら横目で引っ越し業者の出入りを眺める。
そんな中、二階の窓を開けた人物に目が移った。

色白で細っこい都会育ちそうなそいつは 眠そうな顔をしながら空を見上げ、そして偶然にも俺の方を見た。

まるで覗き見でもしたような感覚になった俺は慌てて視線を外し走り出す。
後ろで声がした気がしたけど振り向かなかった。



「(同い年ぐらい だった)」



高鳴る胸に自然と口元が緩んだ。
新しい仲間になるだろう姿を思い浮かべて、そのままダッシュで学校に向かう。

涼しい風が吹く5月の事。




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また続き物です 今度は田舎パロです(笑)

キバシカをメインに考えてますが一応総受けで進みますよー(^^)
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