小説3
□お節介サンタクロース
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ふわりと雪が舞う。
世間様はホワイトクリスマスというやつだ。
きっと外はまた一段と寒いんだろうなと途中だった仕事に向き直った。
何が恋人の日だ。
そんな定義をクリスマスに付けるものだから 家族恋人の在る者は一気に休みを取り、結果少数で取り組んだ任務は片付かず残業となってしまった。
幸いにも俺の恋人であるシカマルはイベント事に頓着しない性格だからこうして仕事ができる訳なのだが、さすがに帰っていく同期のウキウキとした会話を聞いてしまうと会いたくて仕方がなくなっていく。
「メリークリスマース☆」
ほんの少しの寂しい雰囲気など読む気もない。
そう言わんばかりに満面の笑みを浮かべ窓から現れたのは、赤い服に帽子 黒のブーツを身に着けたサンタクロース。
否、せめて隠せと思う千本をくわえている時点で誰なのかは一目瞭然だったが。
「……………何考えてるんだ? ゲンマ」
「ゲンマじゃねぇ サンタクロースだ」
「………」
「そんな怪訝そうな顔してんなよライドウ。イケメンなサンタさんがプレゼント届けに来てやったんだから」
にやにやとイタズラに笑うゲンマは パチンと指を鳴らす。
そんなゲンマに首を傾げ降りかかると、控えめに開いたドアから入って来たプレゼントに驚くしかなかった。
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