*Short Story(短編)

□Morning
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 お愉しみの後、眠るのはいつも俺が先で。
  
 彼女に髪を撫でられながら、心地よい眠りに。
 丁度イイ感じの疲労感と、優しいキスも一緒に。

 「おやすみなさい、マット」

 ゆっくり、ゆっくり、落ちていく。


 目が覚めても、静かに。
 彼女がまだ眠ってる。

 眩しい朝の光も、どんよりした曇り空も、しとしと降る鬱陶しい雨も、シーツにくるまってれば関係ない。

 一人じゃない時は。

 隣にいる彼女のあどけない寝顔をジッと見つめる。
 安心して眠ってる。
 俺が眠るのを優しく見守ってくれるのと同じく、俺も彼女の無防備な目覚めの瞬間を待つ。 

 待たなきゃだめ。

 髪を指で梳いたり、頬を撫でたり、鼻をかるくつまんだり、唇を指でなぞったり。
 起こしたいのか起こしたくないのか分からないけど悪戯したくなっちゃう。

 全然動じない時は、くすぐったり、キスしたりするんだけど(あんまりしないけどおっぱい触ったこともあるヨ…怒られた)。

 寝ぼけ眼。まだ頭がはっきりしてないね。
 目を瞬いて、目をキョロキョロさせて。 
 やっと俺を見てにっこり。
 そして、カワイイ唇が何か言いたそうにしたら―――

 だめ、言うのは俺が先。朝だもん。

 「HI, HONEY. ARE YOU UP? DID YOU SLEEP WELL?(やあ。起きたの? 昨夜はよく眠れた?)」

 にっこりしてくれたら大満足。
 そして俺は起き上ってキッチンへ。
 特製の珈琲を淹れにいく為に。
 シーツにくるまったまま、俺の淹れた珈琲を美味しそうに飲む彼女を、見ているのが好きだから。

 部屋中に芳しい香りが広がって今日も一日が始まる。
 さぁて、今から何しようか?

                  
Fin

2011.05.28 了

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