ジャポニズム47

□冬ならではの。
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――冬――

「さっみぃ……!」

「大丈夫?」

神奈川が聞いてきた。寒さに弱い俺は、すかさず答えた。

「大丈夫なわけねーだろ!なんでお前は平気そうなんだ!?」

「いやぁ、俺だって寒いよ。でもさ、ほら。」

「!?」

神奈川が抱き着いてきた。なんだこいつ!

「こうするとあったかいでしょ?」
確かにそうだが……。人前ではやめろって何回言ったと思ってんだよ!

「あったかいを通り越して少し暑くなってきた…。ったく、いい加減離れろよ……!」

「……?べつに俺は暑くないよ?むしろちょうどいいんだけど。」

俺だけ暑いってなんか変だな。

「もしかして、ドキドキしてるの?」

「はっ……!?え、何、今なんて言ったお前?」

神奈川にドキドキ……!?どういうことだ!?まさか俺…………………
「なるほど。うん。わかった。」

「何がだよ。」

「東京は俺のことが好き。」



「……お前…頭……大丈夫か…?」
「東京こそ大丈夫なわけ?顔、真っ赤だよ?」

「っ……それはお前がくっついてるからだ!!!」

「それつまり、俺といるとドキドキするってことでしょ?」

何なんだ一体!いつもにまして変なこと言いやがる。
…でも、いや、まさか、いやいやいやいやいやいやいやいや!!!

神奈川の腕の中で自問自答を繰り返した。

「認めたら〜?」

そう言って神奈川はいきなりキスをしてきた。

「!??!!」

「ほら、真っ赤。」

「何がしたいんだよお前は!」

「俺のこと好きって認めさせる。」
「知るか!」

「俺は東京のこと好きだよ?大好き。」

「……………」

「ね〜ぇ〜東京は〜?」

「……………………」

「ねぇ、もっかいするよ?」

「……!」

「いいの?」

「……………っ………………好きにしろ!」


――冬ならではの、暖かさ――

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