短編2

□操り、操られマリオネット
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琴座は琴の名手オルフェウスの持っていた琴とされいる。

彼はギリシア一の音楽の名手である。

オルフェウスはエウリディケを妻に迎えていたが、
あるとき、エウリディケは野原で毒蛇にかまれ死んでしまう。
オルフェウスは諦め切れずに妻の後を追って黄泉の国におりていき、琴を奏でた。
それに冥土の神プルートンも心が揺り動き、
「地上に出るまで妻に振り向いてはいけない」と約束し、
エウリディケをかえした。
オルフェウスは喜んで、エウリディケを従え帰り道をたどっていく。
やがてほら穴の出口にさしかかってこの世の光が見えてくると、オルフェウスは
我慢できずに妻の方を振りかえってしまった。そのとたんエウリディケは消えて行った。
再び妻を失ったオルフェウスはついに気が狂ってしまい、
ディオニュソスの祭りで琴をひけと無理強いされたのを断わったために、
琴もろともへプロス川に投げ込まれてしまった。


大神ゼウスは憐み、彼を星座にした。


「そして、彼は今も空の上で輝くのです。めでたしめでたし。」


笑う彼のなんと痛ましきこと。
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