ちょっと大きめの包み。
太一はティナに押し付け、顔はそっぽを向いて。
「‥?」
「ありきたり‥とか思ったけど‥許して」
ぽかーんとティナは包みを見つめたまま動かない。
「これ‥?」
「クリスマスプレゼントだよ」
「クリスマス?」
「お世話になってる人にプレゼントを贈る日」
内心違うだろ、と自分につっこみを入れるが、そんなのは聞こえないことにする。
クリスマスプレゼントはクマのぬいぐるみ。
散々迷って、これ。
普通なら嫌だ、とか言われるんだろうけど、ティナならきっと喜んでくれる、そんな気がした。
がさがさ
首にリボンを結んだクマが顔を出した。
「クマ‥?」
「‥うん」
ごめん、口に出しては言えないけど。
「可愛い‥!」
ティナはクマをぎゅっと抱きしめた。
にこにこ、すごく嬉しそうに。
「‥‥」
ティナなら喜んでくれると思ってた。
でもそんなに嬉しそうだなんて、こんなの、とか思ってたじゃん。
なんだかクマに申し訳なくなった。
ごめんな、クマ。
新しい主人はきっと大事にしてくれるよ。
「‥え?」
ぽん
目の前にクマがいて、頭を撫でられた。
「ありがとう!ぼく、すっごく嬉しい!気に入っちゃった!」
クマがぴこぴこ両手を広げたりしてる。
ああ、ほんと‥
「‥よかったーマジで!」
「きゃ!」
クマごと君を抱きしめて。
あとから問いつめられても、あれはクマに抱きついたんだって言い訳してやる。
だから今はまだ、このままで。
君の笑顔がプレゼント、
(オレには十分だよ。)
(汰一さん、ありがとう!)
汰一が違う‥!泣