篭の中の二人,本編
□参
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「誰もいねーなぁ」
「そうだね…」
現在、俺達は三人目を探して森を旋回中
どこに行っても木、木、木ばかりで人がいない
隔離型は三人一組のハズなのだが
「ん…?」
──あれは…人?
間違いない、恐らくは三人目
「おい!!そこのお前ー!」
俺達に気付いた三人目は、こちらを向いた
長身でガタイのいい奴だ
「お、人発見」
「見付けたのは俺達だがな」
「だな。俺は広末だ、よろしく」
「宮弥だ。で、こいつが…」
「凍月です」
「これで全員か?」
「多分な」
──さて、
全員そろったし、さっさと出口を見付けてこっからおいとまするとしよう
──日向達、大丈夫かな
「おいどうした宮弥。おいてくぞ」
「あ、待て!」
「宮弥くん早く!」
***
暫く森を走っていたら、巨大な扉を見付けた
どうやら学校に繋がっているみたいだ
《我は「龍」…》
「うわー…何か怖いなぁ」
凍月が若干後ずさりながら言った
──まぁ、確かに厳かだけど
《汝らに試練を与える者なり》
「試練、なぁ」
《ここより無事下界へ出たくば、我が試練を受けよ》
「み、宮弥くん…」
「大丈夫だ、」
《この扉の鍵は我が体内にあり》
《それを見ん事手中に収めてみせよ》
──なるへそ
つまり「龍」を倒して鍵を奪えばよろしいと
──俺の文字じゃあちょっとキツイかもしれねーな
《方法は二つ》
《一つは「技」を用いて我に挑む法…》
《もう一つは「力」を用いて我に挑む法…》
《「技」か「力」か…汝らが選択し我を打破せよ》
──簡単に言ってくれるぜ
《天には制限を示せり》
「うわっ!!」
「何だありゃ」
凍月と広末が上を見上る
その先には、何やら不気味なモンが
《「零」が揃いし時、蝕は終え汝らも滅するだろう》
《それまでに我を打破せよ──》
「宮弥、今の残り時間はどれくらいだ?」
「あぁ、まだ余裕があると思う」
「あ、れ…?」
「ん?どうした凍月」
「いや、今『龍』が"この扉から出られるのは二人のみ"って…」
「あー。安心しろ、そりゃ『龍』が勝手に言ってるだけだ」
──しかし…
どうするか…
「お前らの文字って、こいつから鍵を奪えそうな文字か?」
「悪いが、違うな」
「俺は、よく分からなくて…」
「…そうか」
──まずいな
俺の「堕」で「龍」を敗れるのか
…イメージしろ…
どうすれば「龍」を倒せる
どうすれば「龍」から鍵を奪える
どうすれば…─
──あ、
見付けた、「龍」から鍵を奪う方法
否、
・・・・・・・・・・・・・
「龍」から鍵を出させる方法
を──
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