頂き物

□幸せでいっぱい
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奴良組本家の縁側に寄り添っている男女がいた。

奴良組三代目の奴良リクオ、その側近雪女―つらら―だった

「はい、リクオ様。お酒です。」

「おう。ありがとよ、つらら。」

その三代目奴良リクオはある事に頭を悩ませていた

はたから見れば男女というよりカップルといっても過言ではなかった
リクオは何度もつららに「好き」とは言ってる



つららはすぐに赤面でその場を立ち去る

最初はリクオも恥ずかしいのだろうと思い追いかけなかったが
遂にこの前で10回目なわけだ
リクオもそろそろ応えが欲しいところだ

そして

「なぁ、つらら」

「なんでしょうか?」

リクオはつららの瞳を真剣に見つめ、手を掴む

「リクオ様・・・・?」

「俺はそろそろ応えが欲しいんだけどなぁ?つらら」

「な、何の応えでしょう・・・?」


「好きの応えだ」


さっきまで吹いていた風も止み、辺りは静寂に包まれた

「りっリクオ様!!ご冗談は――」

「冗談じゃねぇよ。俺はつららとこれから未来永劫ずっと一緒にいたいって思ってんだよ」

つららの顔は赤面になり逃げようとするがリクオに手を掴まれ動けない
そのつららをリクオは真剣な眼差しで見る

「り、りくお様・・・」

「つららは俺のこと嫌いなのか?嫌いだったらもう好き≠ニは言わない。」

「いえっ!!リクオ様のことが嫌いなわけないじゃないですかっ!!むしろ・・・」

「むしろ・・・?」



「好きに決まってんじゃないですかっ!」



つららは真っ赤に顔が染まり黄色の瞳をぐるぐるさせてる

「やっと言ったな」

リクオは、安心したように胸を撫でおろす

「でもリクオ様、私・・・」

「なんだまだ何かあるのか?」

「ゎ、私は側近なのですよ!?私みたいな分際で・・・」

リクオはつららの言葉に溜息をつく

「まだそんなこと言ってんのか。あのなつらら、俺はお前しか好きじゃねえんだよ」

リクオの言葉につららの帆が染まる

「もちろん昼の俺だってお前しか好きじゃない。俺とお前が愛し合って何が悪いんだよ?」

「りくおさま・・・」


「俺とお前の間を切り裂く様な真似をする奴は俺が絶対許さない。
その相手が幹部だじじいだろうと俺は向かうまでさ。」


その言葉を聞いたつららは何て頼もしいお方だろうと微笑む

「私、リクオ様と出会えてよかったです。出会わなかったらこんな言葉、誰からも貰えなかったでしょう。」

つららの横顔はとても美しいものだった
髪も煌びやかに靡いている

「未来永劫リクオ様の隣に居続け、リクオ様に相応しい側近になります」

「おいおい、まだそんなこと――」

「そして――」

「?」



「そしてリクオ様に相応しい家内となりましょう」



その言葉をどれだけリクオは待ち浴びただろうか

リクオはつららをギュッと抱きしめた

「り、リクオ様!?」

「ありがとう。ありがとう、つらら。生まれてきてくれてっ!!」

リクオの目には涙が浮かんでいた

「リクオ様・・・」

つららの目はリクオを見守るようなとても優しい目をしていた

「私もリクオ様が生まれてきてくれたときはとても嬉しかったです。ありがとうございます」


そして今宵満月の下で近いのキスを――
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