頂き物

□教師と生徒
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ドアをノックし、その部屋の中へと足を踏み入れる。

「原田先せ――…」
名前を呼ぼうとすると、途中でそれは遮られた。
「左之助、だ」
「ですが、ここは学校で・・・」
「心配するなって。ここは準備室だぜ?そうそう誰も来やしねぇよ」

「何度も言ったろ?二人の時はそう呼んでくれって」

「原田先せ、」
呼ぼうとしたが、それは叶わず、変わりに唇に柔らかい感触が降ってくる。

「お仕置き、な」
「な・・・!何するんですかっ」
「何って千鶴が名前を呼んでくれねぇのがいけないんだぜ?」


そして千鶴を腕の中へ引き寄せるとすっぽりとそこに彼女が収る。急な出来事に一瞬だけ抵抗を見せたが大人しく彼の温もりに包まれた。
刹那、首筋にチリッとした痛みが走る。
「原田、せん、せ」
あ、と思った矢先、また唇に先程と同じようで違う感触を感じる。先程の触れるようなものとは違い今度は貪るようなそんな感じのもの。次第に息が苦しくなり、彼の胸板を降参だと言うみたいに軽く叩く。
「千鶴」
唇が離れ最初に紡がれた言葉は自分の名前。
「・・・左之助さん」
「おう、ちゃんと呼べるじゃねぇか。なぁ、千鶴。もう少しだけこのままでいさせてくれねぇか」
「はい」
頷くと彼女は彼の背に回している手でぎゅっと彼のシャツを掴んだ。
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