SHORT
□止められない想い…
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春ーーーー。
三月になって私は高校を卒業する。
今日は三年前の春四月に入学した学校を去る日が来た。
そして、高校生になって気付いた想いを断ち切ろうとずっと前から決めていた。
それは、幼馴染みである
奴良リクオに告白をする事だ…。
卒業式が終わって後輩たちからお祝いの言葉が降り注ぐ。
“おめでとうございます!”
“御世話になりました!”
そんな言葉を言った。
そしてたまにあるのが
“先輩、好きです!”
“好きでした!”
告白をしてくれた後輩。
私はただ笑顔で
「有難う、ごめんね。」
と断るしか無い。
今は急いでいるんだから。
三年間で分かったことは卒業式には“必ず”リクオ君が体育館裏に居ることだ。
毎年のように先輩から告白を受けるが断っている。
今年は、同級生と後輩から告白を受けるらしい。
証拠に…半分以上の女子生徒が居ないのだから。
リクオ君、高校生になってからモテるようになったからなぁ。
身長も伸びて、勉強、スポーツだって出来る。
おまけに優しい性格で笑顔が少し可愛い。
外見からしてはかなりかっこよくなっている。
だからって私は惚れたわけじゃなく、ただずっとリクオ君と居て楽しい思い出や辛い思い出が合ったし、同じ時間を共に過ごして自然に…。
ただ気付いたら好きになっていた。
卒業すれば、もう滅多に会うことは無いし、丁度良いと思ってたから告白はしなかったけど、今なら言える。
違うーーーー。
言わなきゃいけないんだ。
早くこの想いを断ち切る為に。
新しい恋にと踏み出すのは彼に想いを告げないと。
止められないんだ。
リクオ君に対するこの想いは。