SHORT
□犬神の復活と恋心
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何もないと思っていた放課後。
リクオと氷麗は今日も一緒に下校をしている最中だった。
------だが、悲劇が起こった。
学校側から複数の妖気を感じ、二人は走って元来た道を走った。
「キャァァア!!」
学校まで来るとカナの悲鳴が聞こえた。
「カナちゃん!!」
「家長さん!!」
リクオと氷麗が叫ぶとカナは二人の方にと走った。
すると…
カナのポケットから不自然に一枚の葉っぱが宙を舞った。
その葉っぱはカナの前で光った。
「えっ…!?」
「嘘…だろ?」
「何でっ…!?」
三人が三者三様の反応をした。
葉っぱから甦った“奴”を見た反応だった。
奴は、カナを庇おうとした。
襲おうとしているのが複数。
その間にリクオは腰を抜かしてるカナの元に駆け寄った。
「カナちゃん!!大丈夫!?」
「う…うん…」
まだ怯えていて身体がガタガタと震えていた。カナの瞳には涙が溜まっていた。
まだ近くには妖怪がいて、カナは泣きたいが恐怖があり泣く余裕がなかった。
妖気のぶつかりが激しくなりつつある状況で氷麗はカナを優しく妖怪が見えないように抱きしめた。
「え…?及川さん…?」
氷麗の突然の行動にカナが驚く
「…大丈夫よ、家長さん、恐いわよね?
でもね…泣いていいですよ無理しないで?貴女は一人じゃないの…。」
カナに対して何時もより穏やかで優しい氷麗の声と口調でカナに言いかける。その言葉が心に染みて感情が抑えられなくなった。
「ありが、とう…っ…」
氷麗に抱きつきながらカナは泣き始めた。
泣いてる時は熱が上がるが、氷麗の心地よい冷たい体温が熱を冷やして、冷静さを取り戻してくれた。
カナは泣きながら何度も氷麗に“ありがとう”と言っていた。
だが、問題はそこでは無い。
“----何故、彼奴が生きているのか”
そう、死んだ筈の“彼奴”。
“彼奴”は確かに自分の前で“消された”
ーーーーーーーーーーーー四国・八十八鬼夜行幹部…犬神
甦った犬神を不思議に思いながら、犬神と敵妖怪の戦いを眺めながら疑問に思った…。