SHORT

□バレンタイン
1ページ/3ページ

バレンタインデー

「あの……好きです!付き合って下さい!!」
女の子が、リクオに可愛くラッピングした小さい箱を差し出してきました。
「ごめん…彼女居るんだ…」
「そうですか…あの折角なのでチョコ、貰って下さい。」
「うん、ありがとう」
女の子と別れたリクオは、鞄に箱を仕舞いながら下駄箱へ向かいました。
「おはよう、リクオ君」
「おはよう、カナちゃん」
昇降口でカナと会い、朝の挨拶を交わすとカナは、氷麗が居ないことに気づきました。
「あれ?及川さんは?」
「氷麗は今日、用事があるから遅れるって」
「そうなんだ?」
「うん」
カナと話ながら下駄箱の扉を開けると、先程のように可愛くラッピングされた、小さい箱や袋が沢山入っていました。
(またか………)
「カナちゃん、先に教室、行っててくれる?」
「分かった」
「ありがとう」
カナと別れたリクオは自分の下駄箱を振り返り、ため息をつきました。
「僕、彼女居るんだけど………」
でも、自分の下駄箱に入っていた物なので、仕方なく鞄にその箱や袋を入れて教室に向かいました。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ